ウィルコム、他社携帯・固定宛も通話定額の「だれとでも定額」


 ウィルコムおよびウィルコム沖縄は、他社携帯や固定電話宛の通話が、オプション契約の月額980円で定額となるサービス「だれとでも定額」を12月3日から提供する。

 「だれとでも割」は、月額980円で月に500回、1回10分まで通話できる通話オプションプラン。音声通話向け料金プラン新ウィルコム定額プラン(月額2900円)、新ウィルコム定額プランS(月額1450円)と組み合わせて利用する。ウィルコムでは「だれとでも定額」を4月より沖縄エリアでテストマーケティングとしてサービス開始、その後、北海道や宮城、広島エリアでもサービス提供していた。

 国内の他社携帯電話宛、固定電話宛の通話が定額となるほか、光回線などIP電話宛の通話も定額となる。500回を超えた通話については30秒毎に21円の料金が設定されている。10分を超える通話については、各料金プランに順次した通話料がかかる。一旦終話してから再度かけなおすことで、毎月500回までは定額の範囲内で通話できる。

 料金プラン毎の通話料金は、新ウィルコム定額プランの場合、固定電話宛が30秒毎に10.5円、携帯電話宛が30秒毎に13.125円となり、新ウィルコム定額プランSの場合、固定電話・携帯電話宛ともに30秒毎に21円となる。いずれもウィルコム同士の通話については無料。

 500回を超えた10分以内の通話は、「料金定額経過通知サービス」「セーフティプラン」が適用されないので注意が必要だ。また、W-VALUE割引の適用対象外となる。

 なお、対象料金プランのユーザーであっても、W-SIMカード対応機種では「だれとでも定額」を申し込めない。ウィルコムでは、技術的な裏付けがとれた場合に対応するとしている。11月30日以前にW-SIM対応機種を利用しているユーザーは、2011年2月28日までは「だれとでも定額」の加入を受け付ける。

 発表会に登壇した、ウィルコムの代表取締役社長である宮内謙氏は、サービス化に向けた取り組みの中で、大部分のユーザーが1回の通話は10分、月に500回以内に収まるなどと話した。



新ウィルコム定額プランSを本サービスに

 ウィルコムとウィルコム沖縄では、これまでキャンペーン料金コースとして「新ウィルコム定額プランS」を提供してきた。今回の「だれとでも定額」の提供とともに、12月3日より本サービスとして展開される。

 「新ウィルコム定額プランS」の内容はキャンペーンの頃から変更はなく、月額1450円で、ウィルコム同士の通話定額、他社携帯電話やパソコン宛のメール送受信が定額となる。ウィルコム同士の通話は、2時間45分以上連続して通話した場合、超過分は30秒毎に21円課金される。一旦電話を切って再度接続すれば定額内で利用可能。

 携帯向けサイトおよびパソコン向けサイトの閲覧、パソコンのモデムとしてデータ通信端末のように利用した場合でもパケット通信料の上限額は2800円となる。パケット単価は0.105円。

 1年間毎の年間契約が前提で、中途解約や年間契約解除、年間契約外の料金コースへ変更した場合、初年度4200円、2年目以降2100円の解除料が発生する。さらに、3年間の間に回線の解約か、「新ウィルコム定額プラン GS」以外の料金コースに変更した場合、この解除料以外に5775円がかかる。事実上、3年契約が前提の料金プランとなっている。

 また従来、年齢制限や申し込み期限があったが、本サービスとなったことでこうした制約は撤廃されている。

法人向けソリューションでソフトバンクと連携

 ソフトバンクの通信3社(ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム)で代表取締役副社長に就いている宮内氏がウィルコムの社長となり、ウィルコムはソフトバンクグループとしては、4番目の通信会社となった。今回、ソフトバンクとの連携サービスについても発表された。

 ソフトバンクテレコムは、法人向けの通話サービス「おとくライン」において、ウィルコムおよびウィルコム沖縄宛の通話料を定額で提供する「ホワイトライン24(おとくラインW)を1月1日より開始する。12月20日より受け付けが開始される。

 おとくラインからウィルコムPHS宛の国内音声通話が定額の対象で、月額料金は1回線あたりアナログで月額525円、ISDN64で月額1050円となる。着信専用サービスは契約できないほか、「ボイスネットライト」「ホワイトライン24(おとくライン)」と重複契約はできない。転送通話やフリーコールスーパー、クレジットコール、0063通話は割引対象外となる。

 このほか、2011年には「ウィルコム ビジネス・コンシェル」という法人サービスも展開される。詳細は不明だが、企業が通信を導入する際の運用管理コンサルティングサービスになるようだ。



 



(津田 啓夢)

2010/12/1 13:54