矢野経、スマートフォン出荷数は前年度比196.1%の426.5万台


 矢野経済研究所(矢野経)は、国内携帯電話市場に関する調査結果を発表した。調査資料は「2010年度版国内移動体通信市場動向調査―急拡大するモバイルデータ通信サービス―」としてまとめられる。価格は14万7000円。

 調査によると、2009年度の国内の移動体通信端末(携帯電話、PHS、WiMAX)の出荷台数は3681万7000台。2008年度は3990万2000台で、前年度比92.3%という結果になった。矢野経では前年度から減少した理由として、市場の飽和感や経済環境の悪化による買い控えのほか、長期契約・割賦販売導入といったビジネスモデルの変化が買い換え期間の長期化を招いた点を挙げている。

 なお、2010年度の国内移動体通信端末(携帯電話、PHS、WiMAX)の出荷台数見込みは、前年度比101.5%の3736万台。長期契約ユーザーの更新が通年で発生し、スマートフォンやワイヤレス・ブロードバンドサービスの市場が本格化することが増加に繋がるとしている。

 また、矢野経では2010年度はスマートフォンに注目が集まるため、スマートフォンの出荷台数は前年度比196.1%の426万5000台に達すると予測している。

 このほか、2013年度の国内移動体通信端末(携帯電話、PHS、WiMAX)の出荷台数は4516万5000台となる見込み。高速モバイルデータ通信サービスの利用増が市場を拡大させるほか、LTEや携帯機器向けマルチメディア放送が2012年度以降に本格導入されることなどがプラスの材料になるという。

 さらに、スマートフォンの普及や、タブレット端末などの「エマージングデバイス」を利用したさまざまなサービスの活性化などにも期待されるとしている。

 矢野経では、端末市場が活性化する一方で、オープンプラットフォームの導入が進み、海外メーカーの国内市場進出が顕著になるとする。国内メーカーには、さらなる業界再編や海外市場への進出などの変化が求められるとしている。

 



(津田 啓夢)

2010/9/15 13:39