2009年のモバイルコンテンツ関連市場は1.5兆円規模


 総務省とモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、モバイルコンテンツ関連関連市場の市場調査を実施した。2009年のモバイルコンテンツ関連市場は1兆5206億円となった。

 調査では、着信音やゲームといったデジタルコンテンツを「モバイルコンテンツ市場」、物販やサービス、トランザクション関連を「モバイルコマース市場」として定義し、両者をあわせた「モバイルコンテンツ関連市場」としている。

 2009年のモバイルコンテンツ関連市場は、対前年比112%の1兆5206億円。モバイルコンテンツ市場は対前年比114%の5525億円、モバイルコマース市場は対前年比111%の9681億円となった。

モバイルコンテンツ市場

 モバイルコンテンツ市場の内訳を詳細に見ていくと、着メロ系市場(対前年比85%の402億円)、占い市場(対前年比96%の191億円)、待受系市場(対前年比99%の226億円)は前年を割る市場規模となったが、そのほかのセグメントは市場を拡大した。

 音楽関連では、着うた系市場が1201億円(対前年比101%)となったが、着うた単体では対前年比89%の432億円と市場が縮小、着うたフルがそれをカバーして、対前年比109%の769億円を記録している。

 大きく市場を広げたのはアバターやアイテム販売(SNS)の分野で、対前年比285%の447億円となった。このほか、動画専門市場(対前年比181%の112億円)、辞書や学習、健康情報などの生活情報市場(対前年比157%の121億円)、きせかえ市場(対前年比155%の99億円)なども市場を拡大する結果となった。

 セグメント別の市場規模は、着うた系市場(1201億円)、モバイルゲーム市場(対前年比102%の884億円)、電子書籍市場(対前年比127%の500億円)、アバター/アイテム販売(SNS)市場(447億円)、着メロ系市場(402億円)の順となっている。

モバイルコマース市場

 モバイルコマース市場は各セグメントが堅調に推移している。物販系は対前年比113%の4248億円、サービス系は対前年比比11%の3891億円、トランザクション系は対前年比108%の1542億円となっている。

 なお、物販系では、リアル店舗を持つ販売店がカタログやパソコン、モバイルと販売チャネルと広げるのが1つのトレンドになっているという。サービス系では従来、ビジネスユースの旅行や交通系チケット購入が中心だったが、れじぇー目的の個人利用が拡大しつつあるとのこと。トランザクション系では、証券業界の売上げ低迷の影響で伸び悩んだが、公営競技などでのモバイル利用が広がったとしている。

 なお、携帯電話の契約数は2010年5月末で1億1319万契約に達しており、このうちコンテンツの利用が可能なインターネット対応携帯電話は9370万契約となっている。3G携帯電話は1億1050万契約で、契約全体の98%を占めている。

 

(津田 啓夢)

2010/7/6 18:39