矢野経、国内外のスマートフォン市場を調査


 矢野経済研究所は、スマートフォンに関する市場動向を調査し、結果を明らかにした。国内市場における2009年のスマートフォン出荷台数は前年比43%増の194万5000台で、2010年は前年比46%増の284万台の出荷と予測している。

 報告書では、市場全体が前年割れの状況にある中で、データ通信端末とスマートフォンが人気を集めたとするものの、スマートフォンは一部の製品に人気が集中しているとした。一方、2010年は各キャリアがスマートフォンへの取り組みを強化することから、市場の拡大が期待できるという。緩やかな成長が続くことで、2013年には571万台の市場になると予測している。

 また、海外企業が中心となってスマートフォン向けサービスが展開されている状況や、海外のEMSなどを活用するスマートフォン製造メーカーの台頭などにより、国内キャリアの影響力の低下が指摘されており、国内市場において、各キャリアはスマートフォンビジネスの方向性を明示する必要性があるとしている。

 スマートフォンの世界市場は、2009年の出荷が前年比11.1%増の1億5193万台で、こちらも経済状況が悪化する中で好調な結果を残した。2010年は前年比15.3%増の1億7514万台の出荷と予想されている。

 2010年は、ラインナップの拡大やソーシャル系サービスへの積極的な対応が見込まれており、一部ではハイビジョン撮影機能、地上デジタル放送受信機能、3D表示対応製品の登場も見込まれるとしている。

 一方で、スマートフォンの競合製品として電子書籍の閲覧が可能なタブレット型端末やMID端末、スマートブックといったカテゴリの製品が挙げられている。

 



(太田 亮三)

2010/5/11 12:53