富士通、セパレート携帯「F-04B」の説明会開催


F-04Bで「ながら通話」

 富士通は、3月26日に発売予定のセパレート携帯「F-04B」の説明会を開催した。

 「F-04B」は、ディスプレイ部とキーボード部が着脱可能なユニークな構造を採用した富士通製FOMA端末。キー装着時はスライド式の端末となり、キーボード部分を外すとQWERTY配列のフルキーボードが現われる。

 また、このフルキーボードをスライドさせることで、数字キーや方向キーといった携帯電話の一般的な操作部が現われる。ディスプレイを分離させて、フルキーと数字キーの両方で操作が可能となっている。ディスプレイ側とキー側ボディはBluetoothで接続されている。

 さらに、ディスプレイ部はタッチパネル式ディスプレイを採用し、ディスプレイ側だけで操作可能。1220万画素CMOSカメラやGPS機能、おサイフケータイ、ワンセグなどに対応している。通信はHSPA対応となり、下り最大7.2MbpsのFOMAハイスピードをサポートする。


スライド端末キーボード部が分離プロジェクターを装着したデモ。キーボード側がリモコンになるほか、加速度センサーが搭載されているため直感ゲームなどのゲームコントローラーとしても利用できる

佐相氏大谷氏

 説明会に登場した富士通の執行役員常務でユビキタスプロダクトビジネスグループ長の佐相秀幸氏は、「F-04Bはチャレンジ、今後の携帯電話の方向性を示すひとつとして提供する」などと語った。さらに同氏は、F-04Bの登場によって可能性がさらに広がったとした。

 富士通では、2009年度の携帯電話販売数を下期に修正し、目標値を通期で500万台としている。佐相氏は、「500万台はどうにか達成できそうなところ」と、目標を超える見込みであるとした。

 F-04Bの具体的なプレゼンテーションは、富士通 執行役員 モバイルフォン事業本部長で、ユビキタスビジネス戦略室長の大谷信雄氏が行った。

 大谷氏は、F-04Bについて「単にセパレートにしたのではない」と語り、ディスプレイ部が単体で携帯電話として機能すること、QWERTYと数字キーの両方が使えること、ディスプレイ側、キーボード側の双方に加速度センサーを搭載していることなどを説明した。また、「我々はF-04Bが完成形とは思っていない。これが第1弾」としており、今後も継続して、携帯電話の新しい利用スタイルを模索していくとした。

 大谷氏は、F-04Bが「ながら通話」に最適だと語り、キーボード部で通話をしながら、ディスプレイ部でスケジュールやアドレス帳を確認したり、メールをチェックしたりできると紹介した。F-04Bには「ながら通話」がしやすいように、タッチで操作しやすい「通話中ランチャー」なども用意されている。

 さらに今回、ディスプレイ部とドッキングする小型のプロジェクターも販売される。大谷氏は今後、セパレートのさまざまなスタイルを提案していくとした。

 説明会では、端末のタッチ&トライコーナーが用意された。この中で説明員は、F-04Bと接続および連携できるサードパーティ製の機器やグッズなどを検討していると話していた。このためキーボード接続部の仕様などを公開しているという。

 なお、3月24日には、4月1日付けで佐相氏が執行役員副社長に、大谷氏が執行役員常務に昇格することが明らかにされている。



 



(津田 啓夢)

2010/3/25 14:55