DivX、SC-01Bから携帯向けの展開を開始


SC-01B

 DivXは、NTTドコモのスマートフォン「SC-01B」がDivX認証端末となり、サポートされる動画再生フォーマットのひとつとして同社のDivX形式が採用されたと発表した。

 「DivX」(ディビックス)は、パソコンやカーナビ、ゲーム機、家電製品向けに提供されている動画形式で、高画質な動画をコンパクトなサイズに圧縮できるのが特徴。今回、サムスン製のスマートフォン「SC-01B」では、国内で販売される携帯電話として初めてDivX認証を獲得している。これにより、ほかのDivX認証機器同様に、インターネット上に公開されているDivX形式の動画を再生できるほか、パソコンで利用していたり、ユーザーが作成したりしたDivX形式の動画を、携帯電話でも再生できるようになる。なお、「SC-01B」のDivX形式の動画再生は、320×240ドットの解像度が最適とされており、HD解像度(720p)には対応していない。

 ユーザー自身によるDivX形式の動画の作成に関しては、変換ソフトとして「DivX Converter for Mobile」が無料で提供される。同ソフトを利用すれば、既存の動画ファイルをSD解像度までの設定で、携帯向けDivX動画として変換できる。

 なお、これまでもDivX形式にエンコードするためのエンコードエンジンや視聴するためのデコードエンジンはパソコン向けに無料で提供されているほか、変換ソフトも有料で提供されている。一方、DivX形式の再生に対応した機器は世界で2億5000万台以上が出荷されており、海外ではハリウッド映画をDivX形式でダウンロード販売するといった事例も登場している。

 DivX形式の特徴の1つは互換性で、認証プログラムによるロゴを設定。DivXの認証を取得した機器であればDivX形式の動画を再生できる。国内ではBD/DVDプレーヤーやカーナビ、プレイステーション 3、プロジェクターなどで対応機器がラインナップされており、DivX形式の動画であればいずれの機器でも再生できるというのが特徴となっている。今回の携帯電話への対応もその一環で、DivX形式で保存しておけば、幅広い機器で再生が可能という環境が提案されている。

 なお同社では、世界の市場において2009年より携帯電話、とくにスマートフォンでDivXの認証を取得する機種が増加しているとしており、加えて2月16日にはクアルコムとの提携拡大を発表、Snapdragonを採用したプラットフォームでDivX認証の取得を可能にした。これにより、今後はクアルコムのプラットフォームを採用するメーカーは、DivX認証の取得がより容易になるという。

 同社では今後、国内メーカーに向けてもDivXを展開していく方針。

DivX認証の設定アイコンほかのDivX認証機器と同様に動画を再生可能。SC-01BはSD解像度まで再生できるようだ (C)Blender Foundation / www.bigbuckbunny.org

 



(太田 亮三)

2010/2/26 12:01