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NTT東西が「ハローページ」2021年10月に配布終了、携帯の普及や通話アプリ・SNSの広がりで

 NTT東日本とNTT西日本は、50音別電話帳、いわゆるハローページについて、2021年10月以降に発行および配布する最終版をもって終了する。

 両社によれば、近年のハローページは、配布数や掲載数が大きく減少していた。その背景には、携帯電話やネットなど、固定電話に代わる手段が普及したこと、通話アプリやSNSなどコミュケーション手段が多様化したこと、そして個人情報保護に関する意識が高まってきたことがあるという。

 電話番号検索サービス(104番)は今後も提供される。また企業・店舗の電話番号を検索できるタウンページ、そのタウンページをネット上で閲覧できる「タウンページライブラリー」も提供される。

 なお、点字電話帳(無料)は今後も提供される。

ハローページの歴史

 NTT東日本によれば、ハローページのルーツは、1890年(明治23年)に発行された「電話加入者人名表」として始まった。日本初の電話サービスが始まったことにあわせて発行されたもので、「電話加入者人名表」は日本初の電話帳だった。

 それから半世紀以上を経た1951年、職業別に分類する電話番号簿が制作され、「職業別電話番号簿」と「人名別電話番号簿」が発行されるようになる。職業別電話番号簿は、現在のタウンページのルーツ。

 人名別の電話帳は1959年、「50音別電話番号簿」へ改称。さらに1971年には「電話番号簿」が「電話帳」になり、「職業別電話帳」「50音別電話帳」へ改称。そして民営化(1985年)前の1983年、一般公募により「ハローページ」という愛称がついた。

 直近の掲載数(NTT東西合算)は、個人版で1094万件、企業版で589万件だったが、最盛期(1990年度)は個人版が2637万件、企業版が790万だった。

 東西における個人版と企業版をあわせた配布数(発行数)のピークは、2005年度、6500万部だった。しかしそこから徐々に部数が減り、直近の配布数は119万部。最盛期から98%減少となっていた。