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「新iPhoneを月1980円から」~ピタットプランで勝負をかけるau

 KDDIは9月15日に実施した発表会で、新iPhone向けの料金プラン、サービス、キャンペーンを発表した。副社長の石川雄三氏が登壇し、“iPhone 8商戦”に向けた意気込みを語った。

 新iPhone発売の9月22日から、iPhone購入時に新料金プラン「au ピタットプラン」「au フラットプラン」に加入できるようになる。石川氏は、Androidスマートフォン向けに提供を開始した8月の実績を披露。端末購入時に93%のユーザーが新プランを選択したと紹介し、移行が進んでいることを示した。

KDDI 代表取締役執行役員副社長 石川雄三氏

 特に「au ピタットプラン」については、「フィーチャーフォンから機種変更するお客様が本当に多い」(石川氏)という。同プランは通信料に応じて料金がかわる段階制プラン。キャンペーンを併用すると、最安で月額1980円~(1年間)となる。

 石川氏は、「iPhoneはユーザーインターフェイスが優れていて、周りにユーザーが多いので分からないことがあれば質問しやすい」として、「初めてのスマートフォンにauのピタットプランとい組み合わせは、ベストマッチじゃないか」と語った。

 また、新たに発表された「アップグレードプログラムEX(a)」は、24回の分割払いでiPhoneを購入するユーザーを対象に、次回の機種変更時に端末を回収することなどを条件として、割賦残債を最大12回分免除するというもの。従来の「アップグレードプログラムEX」と比べて、残債免除となるまでの期間が2年→1年へと短縮されている。

 石川氏は「毎年新しいiPhoneをお持ちのお客様にはお得なプラン」と紹介。割賦が24回と短くなり、毎月の負担額も上がるので、(期間限定のキャンペーンとして)プログラム料を無料とした」と話した。

他社との差別化は「1980円」

 前日には、ソフトバンクが「アップグレードプログラムEX」と似た条件でプログラム料が無料の「半額サポート for iPhone」を発表している。質疑応答にて、その違いを問われた石川氏は、「まず大前提として、そもそもベースの料金プランが安いというのをご理解いただきたい。ピタットプランではずっと安い料金で、プログラム料の差以上を還元している」と、料金面での優位性があると強調。

囲み取材に応じる石川氏

 囲み取材でも、「繰り返しになりますが、やっぱり1980円から持てるということが一番」(同氏)として、料金プランを最大の差別化ポイントと位置づけた。

 また、ソフトバンクは新iPhoneにあわせて、月間50GBのデータプラン「ウルトラギガモンスター」を発表したが、auでは月間30GBの「auフラットプラン 30」が最大容量となっている。対抗プランを投入しなかったことについて「今のピタット・フラットは、ハイエンドユーザーにもかなり受け入れられている。(ソフトバンクの新プランは)そこまで影響はないと思っている」と話した。

 一方、割安なピタットプランをiPhoneでも提供するのは、“格安SIM”と呼ばれるMVNOへ対する抗側面もあるのか、という質問に対して、「もちろんMVNOとの競争という意図はある。ただし、料金、サポート、ネットワークとトータルで他社よりも高い体験価値を提供する必要がある」とした。

 サポートについては、最大4年間の保証を提供する「AppleCare+ & au端末サポート」が、新たに発表されている。加えて石川氏は、全国に展開した店舗網でのサポートがMVNOに対する優位点とした。

 ネットワークについては、auのiPhone 8/8 Plusは下り最大558Mbps対応で、規格上の最大速度では大手キャリアで最速となるが、石川氏は「最速だけを訴求するつもりはない。(通信速度が落ちる)混雑した環境で一番を目指したい」と、混雑時の実効速度を競争軸とすることを表明した。

今年のiPhone商戦、違いは「iPhone X」

 今年のiPhone商戦が例年と違う点を問われて「iPhone Xの発売」を挙げた石川氏。その理由を「iPhone Xは発売がiPhone 8/8 Plusより遅れる。当然、競争環境においては違いを生む」と答えた。

 この日、auは「iPhone X」の予約を10月27日に開始すると発表。auのiPhone Xでは、「au ピタットプラン」「au フラットプラン」や「アップグレードプログラムEX(a)」など、iPhone 8と同じ料金プラン、キャンペーンなどを利用できるようになるという。

 価格については「10月27日の予約開始となるので、検討する時間はまだあるのかなと思っている。アップルの直販価格は公表されているので、それを目安として検討いただきたい」(石川氏)として、明言を避けた。

このほか、LTEに対応した「Apple Watch 3」も紹介された