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夏休みにぴったり? キッザニアにロボットのプログラミングを体験できるパビリオン

 さまざまな仕事を子供が体験できる施設「キッザニア」で、NTTドコモが提供するパビリオンが、ドコモの「自然対話エンジン」を活用した「ロボット研究開発センター」として生まれ変わる。

 7月7日からは東京都江東区の豊洲で、7月10日からは兵庫県西宮市の甲子園にあるキッザニアで楽しめるようになる。キッザニアの利用料は年齢や利用する日時などによって異なり、豊洲の休日第1部での料金は、園児で4200円、小学生で4700円、中学生で4800円。

ドコモショップ配属の受付ロボと窓口ロボを開発せよ

 これまでドコモのパビリオンは、携帯電話の貸し出し業務を体験できるものだったが、この7月からは、「ロボット研究開発センター」と名付けられたパビリオンでは、“ドコモショップに設置される2体のロボットの動作をプログラミングする”という体験ができる。

 プログラミングツールは、ドコモが開発した独自のもの。お辞儀をする、手を振る、来店客の名前を聞く、来店客が求める携帯電話/スマートフォンの好みを質問する……といった動作や、分岐/タイマーといった条件がブロックとして50種類用意されており、ブロックを組み合わせることで、ロボットの動作を制御できる。

ロボットのアクションに「ドコモの自然対話エンジン」

 プログラミングによって形作られるロボットの挙動、特に会話部分の裏側は、ドコモが「しゃべってコンシェル」などで活用する自然対話エンジンが採用された。

プログラミング対象となるロボット
動作を設定

 ドコモの自然対話エンジンは、意図解釈、シナリオ対話、外部コンテンツ連携という3つの機能がある。このうち外部コンテンツ連携は「〇〇の天気は?」といった質問に対して、回答となるコンテンツをドコモ以外から得る機能で、ドコモのパビリオンでは、用いられていない。

 活用される機能のひとつである「意図解釈」は、ユーザーが発する言い回し、表現を理解したり、質問文のパターンを機械学習したりするもの。たとえば今回は、スマートフォンのボディカラーを来店客に聴く、というシーンにおいて、ロボットが「ホワイトですか?」と投げかけて、来店客が「白がいい」と回答する場合に役立つ。人間にとってはホワイト=白とスムーズに理解できるが、何の工夫もしていなければコンピューターは異なる単語として受け止めてしまう。しかし意図解釈機能により、コンピューターは言い回しが違うだけで同じ内容であると判断できる。

 シナリオ対話は、あらかじめ分岐する形を想定して会話形式で受け答えできるようにする。利用シーンが限定されていれば、より効果的になるとみられ、たとえば今回はドコモショップに設置されるロボット、ということから、「どのようなタイプのスマートフォンをご希望ですか?」という質問に、ユーザーが「画面が大きいもの」「操作が簡単なもの」といずれを選んだ場合でも、それにあわせた回答ができるようにする。

 さらに今回は「受付ロボと窓口ロボ」という2体のロボットが存在する中で、受付ロボットが得た来店客の氏名や、客の好みをデータベースに登録すると、窓口ロボでも活用してスムーズに引き継げるようにする。

ロボット、AIへの興味に繋がれば

ドコモの小野氏

 NTTドコモプロモーション部の小野浩司 第一コミュニケーション担当課長は、2020年頃に小学生にプログラミング教育が導入される方向であること、男子中学生のなりたい職業1位がプログラマーといった話題を紹介し、「未来を担うお子さまたちにプログラミングの楽しさなどを届けられたら」と語る。一方で、今回はあくまでプログラミングにフォーカスして、AIについてはさらりと触れる程度になるようだ。

 もともとはメキシコ発という「キッザニア」は、現在、世界24カ所で運営されている。ロボットを活用した職業体験は韓国のキッザニアにあるとのことだが、今回のようなコミュニケーションに主軸を置くものはキッザニアにとっても初めて。

 ゆくゆくはロボットが当たり前になる、という潮流が世界中で出てくるのでは、と語る小野氏は、そうした未来を意識しつつ「ロボットやAIが拡がるなかで、子供が触れていって楽しく思ったり役立ったりすることに期待したい」と語っていた。