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シャープ「ココロボ~ド」にマンションのカード錠やインターホンが連携

共働きの家庭向け、新築マンション用ソリューションを4社で連携して提供

 アルテリア・ネットワークス、シャープ、アイホン、アッサアブロイジャパンの4社は、共働きの家庭などをターゲットに、子供の見守り機能を提供するIoTソリューション「つたえるーむ」の提供を開始した。新築マンション向けで、対応するマンションは早ければ2018年春にも完成する見込み。各戸における「つたえるーむ」対応の初期費用は15万円で、サービスの利用は月額380円を予定する。

 4社が連携するプロジェクト「つたえるーむ」は、子供の帰宅や留守宅の様子に不安を抱える共働き世帯をターゲットにした、新築の分譲マンション向けソリューション。マンションの共用部、専有部(各戸)もネットワークで連携する。

 具体的には、シャープが“家族と家電がコミュニケーションできるアプリ”として提供している「ココロボ~ド」を中心に、マンションのインターホン(アイホン)や施錠システム(アッサアブロイ/Yale)が連携する形。マンション共用施設の予約などにも対応する。

 マンションの集合玄関などの共用部では、家族ひとりひとりに渡されるカードキーを所持してハンズフリーオートロックを通過すれば、カードキー所持者の帰宅・外出の両方を検知でき、ココロボ~ドに通知する。集合玄関からのインターホン呼び出しや画像、時間もココロボ~ドに通知される。各戸のデジタルドアロックの施錠状態や施錠操作もココロボ~ドで行える。

 また、ココロボ~ドに通知される内容は、各戸の中に設置されたモニター付きインターホンでも確認できる。これにより、スマートフォンを持たせていない子供が留守番している場合でも、インターホンのモニターを通じて連絡することが可能。

 このほか、同ソリューションではマンション共用部の予約システムなどとも連携する。予約の日時などのカレンダー情報がココロボ~ドと連携するほか、共用部を利用する際のカードキーも、時限付きで各戸のカードキーで解錠できるようになっている。

集合玄関のインターホン
通知や画像を受け取る「ココロボ~ド」アプリ
各戸のデジタルドアロック
各戸の中のモニター付きインターホン。「ココロボ~ド」と同じ通知が表示されている

 5日には都内で記者向けの発表会が開催された。アルテリア・ネットワークス 取締役常務執行役員 兼 事業戦略本部長の大橋一登氏は、スマートホームやIoTの分野では、共働き世帯の増加とともに、家族の見守りサービスへの需要が高まっているとし、「マンション向けソリューションは、IoTの大きな市場になる」とプロジェクトの背景を語る。

左からアルテリア・ネットワークス 取締役常務執行役員 兼 事業戦略本部長の大橋一登氏、シャープ IoT通信事業本部 IoTクラウド事業部長の白石奈緒樹氏、アイホン 国内営業本部 ネットワークソリューション推進部長 の若林一磨氏、アッサアブロイジャパン 社長の有田欣生氏

 また同社 事業戦略本部 レジデンシャルサービス部長の川原久幸氏は、具体的な機能や、すでに市場に提供されている「ココロボ~ド」と簡単に連携できるようになる様子を紹介。「この手のサービスは従来からなかったわけではない」としながらも、カードキーやセンサー、ネットワークを活用してより使いやすく、安全になっていることを解説した。2018年度は50棟・約4700戸が目標で、「マンションIoTのスタンダードを目指す」と意気込みも語っている。

アルテリア・ネットワークス 事業戦略本部 レジデンシャルサービス部長の川原久幸氏