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「スマホのノウハウでPCに革新を起こす」ファーウェイがノートPC発表

クラムシェルの「MateBook X」、2in1の「MateBook E」7月7日発売

 ファーウェイ・ジャパンは、スマートフォンの開発ノウハウを活用して開発したという13インチのクラムシェル型ノートPC「HUAWEI MateBook X」と、2in1スタイルでキーボードカバーが付属する12インチのタブレットPC「HUAWEI MateBook E」を発表した。どちらも7月7日に発売する。OSはWindows 10 Home 64ビットを搭載し、すべてWi-Fiモデルとなる。

 販売予想価格は「MateBook X」が14万4800円(税抜、以下同)~、「MateBook E」が9万2800円~。

「HUAWEI MateBook X」
「MateBook E」

「MateBook X」

 「MateBook X」は4.4mmという狭額縁の13インチ、2160×1440ドットのディスプレイを搭載し、A4サイズよりコンパクトなボディを実現。厚さ12.5mm、重さも1.05kgと軽量に仕上げられている。スマートフォンのボディに施されているサンドブラスト処理やダイヤモンド・カット処理など、スマートフォン開発のノウハウが活かされ、電源ボタンと一体化された指紋センサーは、ワンタッチでログインまでの動作が可能になっている。キーボードは防滴仕様。

 ディスプレイ比率は3:2。ドルビーアトモス対応のスピーカーを搭載、ヘッドホンも対応する。CPUは第7世代のインテル Core i7/i5で、発熱対策として航空宇宙グレードの放熱素材を活用し、CPUに関わらずすべてのモデルでファンレス構造になっている。バッテリー駆動時間は連続約10時間。

 無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.1をサポートする。外部端子はUSB Type-C。

 メモリー(RAM)とストレージの構成は、8GB/256GB SSDと、8GB/512GB SSDの2モデル。大きさは約286×211×12.5mm、重さは約1.05kg。ボディカラーはプレステージゴールド、ローズゴールド、スペースグレーの3色。

「MateBook E」

 「MateBook E」は12インチ、2160×1440ドットのディスプレイを搭載し、本体は厚さ6.9mm、重さ640gと薄型・軽量のモデル。側面に指紋認証センサーを備え、すばやくロックの解除が可能。

 キーボード付きカバーは製品パッケージに同梱される。防滴仕様で、本体を立てかける角度は無段階に調整できるようになった。自動点灯するバックライトを搭載。5点同時タッチが可能なタッチパッドも備える。

 CPUは第7世代のインテル Core i5またはCore m3で、連続約9時間以上の駆動が可能。内蔵バッテリーは、緊急的にモバイルバッテリーの5Vで充電することも可能になっている。

 無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.1をサポートする。外部端子はUSB Type-C。

 メモリー(RAM)とストレージの構成は、4GB/128GB SSD(Core m3)と、8GB/256GB SSD(Core i5)の2モデル。大きさは約278.8×194.1×6.9mm、重さは約640gで、付属のキーボードカバーを装着した状態で1.1kg。ボディカラーはシャンパンゴールド、チタニウムグレーの2色をラインナップする。

「ノートPCにはイノベーションが足りない」

 4日に開催された発表会に登壇したファーウェイ・ジャパン プロダクトソリューション統括部 本部長の楊 勇(ヤン・ヨン)氏は、タブレット製品が日本市場でも好調であることに触れた上で、「ノートPCのカテゴリーでは研究開発ではなく価格競争をしている。イノベーションが足りない」と指摘。全体として縮小するPC市場にあって、2in1スタイルやウルトラスリムなノートPCは伸びている市場であることも紹介し、「競争力があり、デザイン性も高い。日本のPC市場にファーウェイが本格的に参入したことで、消費者にはイノベーションと製品を提供できれば」と意気込みを語った。

 この日発表された2つの製品のうち、クラムシェル型の「MateBook X」は日本市場に初めて投入する製品で、Windowsを搭載した伝統的なスタイルのノートPC。一方で、13インチの狭額縁でA4以下に抑えたサイズや、サインインまで対応する電源ボタン一体型の指紋認証センサー、高級感のある外装の仕上げ、Core i7まで対応するファンレス構造、ステレオスピーカーによるドルビーアトモス対応、長時間駆動など、スマートフォンやタブレットで培ってきたノウハウがふんだんに投入され、競合他社の製品と比較しても注目ポイントは多い。

ファーウェイ・ジャパン プロダクトソリューション統括部 本部長の楊 勇(ヤン・ヨン)氏
乙葉も登場、ドルビーアトモスによる迫力の音を体験した
インテル、ドルビー、マイクロソフトからもゲストが登壇した
ファーウェイ・ジャパン コリア リージョン デバイス・プレジデントの呉 波(ゴ・ハ)氏

 発表会の当日、グループインタビューに応じたファーウェイ・ジャパン コリア リージョン デバイス・プレジデントの呉 波(ゴ・ハ)氏は、今回投入の2製品はイノベーションの提供が目的であり、価格競争によるシェアの獲得は目的ではないと強調する。「新しい(健全な)市場を創り出し、技術の進歩も促していく」と、新規市場の開拓であるとも位置づけた。

 その2製品のターゲットは、スマートフォンの「Mate」シリーズのようにビジネスパーソンであるとし、高機能であることで家庭での利用も満足いく内容になっていると自信をみせる。

 LTEに対応しなかったのは、Wi-Fiモデルが広く普及していることや、同社がモバイルWi-Fiルーターを幅広く手がけていること、モバイルWi-Fiルーターとセットで購入するとパソコンを割り引くといった量販店の商習慣にも言及している。

 なお、サポート拠点はSIMロックフリーのスマートフォンと同じ施設で対応する。銀座や梅田の窓口のほか、修理設備なども同様。今後は中規模の都市にも銀座のような対面窓口を開設していきたいとしている。