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docomo withに質問が集中~ドコモ吉澤社長一問一答

 24日、2017年の夏モデルを発表したNTTドコモの吉澤和弘社長が、発表会後、報道陣の囲み取材に応えた。質疑のほとんどが新プランの「docomo with」に集中した。

――「docomo with」の業績への影響は?

吉澤氏
 収入は減るが、月々サポートというコストも減る。端末そのものを定価で買っていただく形となり、当社が端末販売で得る粗利は少し小さくしている。そのあたりの足し引きがどうなるか。ただ今年度は数十億円規模の減収になると見ている。4月の決算説明会で、2017年度に数百億円の還元を実施する方針を明らかにしており、「docomo with」はその一部になる。

――ユーザーはある程度使わないと得にならないのか。

吉澤氏
 まだ正式に出していないが、今回、対象機種の価格は2万円台の中頃、もう一方が3万円台の中頃になる。(1500円×)24カ月で3万6000円なので、それ以上使い続ければ、元が取れることになる。

――月々サポートか、docomo withか、選べる形も検討したと思うが。

吉澤氏
 新しい施策のため、まず新しい機種からにした。既存機種でやろうとすると、月々サポートとdocomo withが混在し、ユーザーからするとどちらがオトクなのか、複雑になる。そこで今回は2機種だけにして、この2機種で月々サポートはなしにした。次をどうするか。ユーザーの反応を見て考えたい。今回は完全に分けさせていただいた。

――ユーザーからすると高価格帯の機種のほうが長く使えると考えるのではないか。

吉澤氏
 高価格帯、フラッグシップの機種は8〜10万円になる。割賦は利用できるが、どの程度、定価で買っていただけるのか。ほとんどが月々サポートでお買い求めいただいている。ただ今回の発表以降、反応を見ていきたい。

――想定する利用者層は?

吉澤氏
 対象機種は、スペック的にHDRディスプレイや、788Mbps対応などはないが、基本機能を使う方、フィーチャーフォンからの乗り換える方になるかと思う。

――機種を拡げないのか?

吉澤氏
 2機種に限定するつもりはまったくない。今後、出すものでは拡げたい。

――格安スマホ対策という意味もあるのか。

吉澤氏
 ワイモバイルさん、UQさんへのポートアウト(転出)はあるが、今いる方に対して、長く(ドコモへ)居ていただくのが基本的なところ。長くいても料金面のメリットを受けていない方向けになる。結果的にポートアウト対策になるかもしれないが、セカンドブランド、MVNO対策は視野に入っておらず、留まっていただくという狙いがある。

――docomo withでは割引がずっと受けられるということで、ガイドライン上、対象機種が(端末価格が安くなる)ミッドレンジ機種にならざるを得ないのか。

吉澤氏
 ガイドライン的には問題はない。割引とうたっているが、実際は適用期限を定めないタリフ(料金プラン)になる。総務省でのタスクフォースが始まってから検討し始めた。「頻繁に機種変更する人が得をし、そうではない人が不利益をこうむっているのでは」と言われたこともあったが、我々としても料金の多様性は前々から考えていた。

――(2016年冬モデルで、実質負担額が650円程度だった)MONOの路線と、今回のdocomo withの路線のどちらに寄せていくのか。

吉澤氏
 MONOは端末購入補助を適用できる基準価格より安く、実質負担額が648円だった。今後、ミッド/ロー機種をどうにするか判断は必要だが、できればwithに寄せたい。今後を見て判断する。