テザリング無料、期間延長や値下げで結局どうなった？

　大手3キャリアが料金プランのオプションとして提供する「テザリング」サービス。本誌では4月12日に、無料キャンペーンの状況や各社の今後の方針をまとめた記事を掲載した。その後、4月末にソフトバンク、auからそれぞれテザリングの無料キャンペーン期間の延長が発表された。

auがWebサイトで案内しているテザリングの利用メージ

4月中旬までの状況

　前回掲載の本誌記事で注目としたのは、各社が力を入れ始めた“大容量プラン”ユーザー向けのテザリングサービス。大容量プランのユーザー向けには、各社とも月額1000円と比較的高めの料金を設定しており、無料キャンペーンは2017年4月（ドコモは2018年3月）まで、といったように期限が設けられていた。

　また大容量プランにおいて、テザリングは任意の申し込みが前提となっているため、無料キャンペーン終了後には、メールなどで通知が来た後に、自動的に請求が開始される（ドコモは除く）ことも明らかになっている。

　なお、3キャリアの大容量プランではない従来のプランでは、テザリングの利用は無料、もしくは、月額500円で「契約から2年間は無料」という内容が一般的になっている。

延長、再延長の結果

　4月末に、ソフトバンクが大容量プランにおけるテザリング料金の値下げと無料キャンペーン期間の延長、auは無料キャンペーンの延長を発表した。

　ソフトバンクはまず、2017年4月末から7月末に延長すると案内。同時に、大容量プランで月額1000円としていたテザリングの料金は月額500円に値下げすると発表した。

　その後にauが、ドコモと同じ2018年3月末まで無料キャンペーンを延長すると発表すると、ソフトバンクはこれに対抗する形で、無料キャンペーンを2018年3月末まで延長すると発表した。

　発表・変更内容を時系列で並べると以下のようになる。

　ドコモは2016年9月の時点で、（3キャリアで最後だった）大容量プランの発表に際して、テザリングは2018年3月末まで無料と案内。すでにauとソフトバンクは2017年4月末まで無料と案内していたが、ドコモには追随しなかった。しかし無料期間が終わる4月末になって方針を固め、結果的にauとソフトバンクでは、ドコモと同じ2018年3月末まで無料キャンペーンが延長されることになった。

　月間で20GBや30GBという大容量のプランを契約するユーザーにとって、テザリングの利用に追加で月額1000円という価格設定（ソフトバンクは月額500円に値下げ）や、テザリングを“付加価値サービス”と位置付けて有料とした当初のコンセプトは、理解を得られていないようにみえる。本誌「けーたいお題部屋」への投稿でも、「同じ蛇口から出た水なのに、用途によって追加料金を請求されるような違和感」「どうして自分で買ったデータ通信量に、さらに金を払わないといけないのか」と疑問の声が相次いだ。大容量プランでは各社ともテザリングの無料キャンペーンが続いているためユーザーへの請求実績は無いが、今後の取り扱いが注目される。