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「スマホを拾ったらどこに届ける?」~携帯各社に聞いてみた

 春が来た。使い古された言葉だが、それでもなお「出会いと別れの季節」であることに変わりはない。桜も美しく咲き誇るシーズンでもあり、お酒に親しむ機会が増えがちになる人もいるはず。となると、ありがちなのが「スマホの紛失」だ。

 と言っても、もしスマートフォンを失ったら、という話は、ちょっと検索したら、わりと「こんなときこうした!」という話が出てくる。ところが、どこかの誰かが落としたスマートフォンを拾った場合、いったいどうしたらいいのか、ちょっと検索してもよくわからない。

届け先の正解は

 紛失時の対策はまたあらためてご紹介するとして、ひとまず「スマホを拾ったらどうしたらいい?」と3キャリアとMVNOに聞いてみた。その回答は……とあまりもったいぶっても仕方ない。正解は「警察へ届ける」だ。ワイモバイル、UQ mobileといったサブブランドのサービスも同じだ。

 当然と言えば当然の結果。でも、ずーっと以前からそうだったか、と言うと、ちょっと違う。実はキャリアショップで預かっていたこともあったのだ。もしかしたら、読者の皆さんのなかにも「ショップに届けたことあるよ」という方がいらっしゃるかもしれない。それもわりと最近までキャリアショップで携帯電話の落とし物を受け付けていたこともわかった。

 たとえばドコモでは、約5年半前の、2011年9月30日をもって、ドコモショップにおける拾得物保管業務は終了したという。つまりそれまでは、ドコモショップに拾いものの携帯電話を持っていけば預かってくれていた。2011年、思っていたより最近の話だ。

 しかし、警察庁からの要請を受けて、拾得物保管業務は取りやめることになった。キャリアショップならすぐ持ち主がわかるかも……と想像してしまうが、確かによく考えれば、たとえ携帯電話であろうと、法律上は財布やほかのものを拾うのと同じ。遺失物法でも、何か拾えば、基本的に警察へ(施設ではその管理者へ)届けることが義務付けられている。となるとキャリアショップに届けるほうがおかしい。またキャリアショップとしても、きちんと保管し続けるというのはわりと手間がかかることは想像がつく。

【追記 2017/03/28 11:54】
 施設で拾得した場合、その施設の管理者へ届ける旨、追記いたしました。

MVNOも同じ

 MVNOを代表して、IIJやmineoにも質問してみた。当然だが、「警察へ届ける」ことはMVNOも同じだ。極端な例だが、たとえばau回線のMVNOならauショップ、ドコモ回線ならドコモショップ……といった届け出をする必要はない。

 また今はSIMロックフリーのスマホはメーカー名はわかれど、どのMVNOのユーザーなのか、ある程度知識がないとわからない。SIMカード自体も、MVNOのサービス用であれば最近はロゴがないなど簡素なデザインになっており、手がかりにしにくい。そもそもその後のトラブルを避けるためにも、SIMカードを取り出して確認することは避けて欲しい、とIIJ。

 ちなみにMVNE(MVNO支援事業者)によるMVNO(二次MVNO)の場合も、同じ。

届け出の後

 拾得物として届けられると、警察からは、各通信事業者の関連部署へ連絡が入る、というのも3キャリアおよびMVNOで共通の流れであることもわかった。

 IIJによれば、警察に届けられたスマートフォン、SIMカードは警察側で確認して各キャリアに連絡する。SIMカードの外観ではMVNOかどうか確認ができないため、まず大手キャリアに連絡するという流れになる。通信会社側では、警察からの情報をもとにユーザーの連絡先がわかれば連絡する、MVNOならば、警察からあらためてMVNOへ連絡がある。その上で、ユーザーが登録した情報に基づき、メールなどで連絡をすることになる。

 いわゆる二次MVNO(支援事業者のサービスを利用するMVNO)については、MVNO契約のSIMであることが判明した段階でMVNEまで連絡が入ることになり、MVNEはどのMVNOか、警察へ返答する。その結果MVNOへ警察から連絡がある。何度も警察との間でやり取りすることになるが、最終的には必ずユーザーのもとへ行き着くと言えそうだ。

 当然と言えば当然の結果となったが、漠然と「こうなのかな」と考えていたことがはっきりわかった。もし自分がスマートフォンを紛失したら不安にかられまくることは容易に想像できる。これから、もしどこかで誰かのスマートフォンを拾ったら、迷いなく警察へ届けて欲しい。