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シャープスマホの新IGZOは“フルインセル”で性能アップ

フルインセル化した新しいIGZO

 NTTドコモの「AQUOS EVER SH-02J」、auの「AQUOS U SHV37」では、フルインセル化された新しいIGZO液晶ディスプレイが搭載されている。これにより、従来よりもさらに消費電力を抑え、さらには水しぶきがかかったときの誤操作することも減ったのだという。

 IGZO液晶は、トランジスタに酸化物半導体(インジウム、ガリウム、亜鉛、各元素名を略してIGZO)を採用したディスプレイ。従来よりも小型でバックライトを透過しやすいといったメリットのほか、画面の動きがないときには一時的に電流を止めることもでき、高い省エネ性が特徴とされる。

従来のIGZO

 一般的に液晶ディスプレイは、表に保護する板、その下にタッチ操作を感知するタッチパネルモジュール、そして画像を表示する液晶モジュールという三層構造になっている。ところが、タッチパネルを内蔵する液晶モジュールも実用化されている。これが“フルインセル”と呼ばれるパネルだ。

 フルインセル化による第1のメリットは消費電力の削減。その理由はシンプルだ。タッチパネルと液晶モジュールが一体化することで、ディスプレイは三層→二層になる。ひとつ減るだけで、液晶の内側にあるバックライトの光は通りやすくなり、外からの反射光も減る。これまでと同じバックライトの明るさであれば、よりディスプレイは明るく見える。
つまり同じ明るさにしようとすれば、バックライトの光を弱めればいい。結果、消費電力が少なくなるという寸法だ。

 IGZO液晶では、操作しない状態では駆動頻度(画面を書き換える頻度)を落として消費電力を減らす。これもタッチパネルと一体化したことで、タッチパネル部も休憩をとる仕組みになった。従来は、液晶とタッチパネルは別々に制御されていたところ、フルインセルによって、タッチパネル&液晶を1つのICで制御することになった。つまり、従来は液晶と異なるICチップで制御され、ずっと駆動しっぱなしだったタッチパネル部が、液晶部と合体したことで、「操作されないときは液晶表示に加えて、タッチパネル部も駆動しない時間を設ける」ことが可能になったのだ。

従来との比較

 このタッチパネルの駆動タイミングの制御という仕組みに加えて、削減された消費電力の一部を使ってタッチパネルの電圧を増加できるようになったことから、水濡れ耐性もアップ。水滴がついても誤って検知しないよう性能を向上させている。

 このほか色再現性も向上しており、シャープでは“次世代のスタンダード液晶”と位置付ける。搭載されるのは、先述の通り、NTTドコモの「AQUOS EVER SH-02J」、auの「AQUOS U SHV37」の2機種。来年2月に登場するソフトバンクの「AQUOS Xx 3 mini」は対象外となっている。