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au SHINJUKUになつかしケータイが勢揃い、体験イベントをのぞいてきた
2016年7月14日 19:13
東京・新宿にあるau直営店、au SHINJUKUで7月14日~18日にかけて、「おもいでケータイ タイムトラベル」と題するイベントが開催されている。
オープン直後、実際に訪れてみると、そこには懐かしいあの携帯電話たちがずらりと並ぶ様子に目をひかれる。
ケータイ Watch担当となって15年弱の記者の目に、まず飛び込んできたのは尖ったデザインの機種たち。「WalkmanPhone Xmini」は、手の平サイズ……どころではなく、手の平で包み込めるほどコンパクトな機種。「Sportio」は一見すると、今どきのスマートフォンに近いシルエット。スポーツに親しむユーザーをターゲットにした機種だ。
一方、1990年代に登場した機種の実物をこれまで記者はほとんど目にしたことがなかったが、テンキーが縦に並ぶデンソーの「T204」、スクリーンの大きなパイオニアの「523G」などは、今も先端的に思えるデザインだ。1997年12月に登場したソニーの「511G」は、側面にジョグダイヤルを備えた機種。クルクルピッピッという操作感が強く突き刺さった人もいたようで、その後、高機能化するフィーチャーフォン時代にも、ジョグダイヤルを求める声が常にあった。
元祖モバイルなショルダーフォンの実機はアクリルケース内に展示。今回は特別にケースを外して撮影させてもらった。
auらしい携帯電話のひとつと言えば、タフネスなG-SHOCKケータイを思い浮かべる人も多いはず。会場には、cdmaOne時代の「303CA」にはじまり、名機と名高い「G'zOne TYPE-R」が並ぶ。そしてその血脈を継いだ、と言えるスマートフォン「TORQUE G02」の姿もある。
個性的な機種×au――と言えば、忘れられないのがau design projectの機種だ。
折りしも会場には、au design projectのキーパーソンだった砂原哲氏(プロダクト企画部マネージャー)と、最新のauオリジナル機種であるQua Phoneを担当する美田惇平氏がいた。
砂原さん、一番思い出深い機種ってどれですか? という記者の問いに「やっぱりINFOBAR」と即座に回答。INFOBARはスマートフォンとしていったん生まれ変わったものの、最新モデルが出たのは1年半ほど前。そろそろ新たなINFOBARに期待したいところ。INFOBARと同じくau design projectを代表する機種「talby」をデザインしたマーク・ニューソン氏はいまアップルに在籍しているとか。talbyのデザインは今も魅力的だが、「2インチのディスプレイだとスマートウォッチサイズですよね」と砂原氏。
砂原氏は「スマートフォンじゃない何かを作りたい」とも語っていたが、これはあくまで個人的な想いとのことで、auとして何かプロジェクトを進めているわけではないそうだ。
一方の美田氏は高校生のころにauの携帯電話を利用しはじめ、その後、毎年、新機種を買い替えていたそうで、当時手にしたものを今回、5機種も持ってきていた。
イベントコーナーの一角では、過去の携帯電話を持ち込んで充電し、中に保存されている写真をプリントできるコーナーもある。
かつて使っていた携帯電話を持ち込んで、当日の記憶を蘇らせよう……という企画だが、美田氏は無難な写真をプリントしていた。でも本体のなかには、ご本人が赤面してしまう写真もあったよう。
古い機種を動作させるための機器として、バッテリーパックの端子へ直接繋がる機器まであった。携帯電話本体での充電がうまくいかない場合に使う機器で、フィーチャーフォン全盛期のころは、一部のauショップ、あるいはKDDI社内の品質管理部門などに導入されていたそう。「あんなの、初めて見た」と砂原氏がぽろっとつぶやくほど、レアな機器だ。
訪れるまで、古い機種が並ぶという光景にピンときていなかったが、目にした途端、それらが最新機種として大々的に発表されたときのことを思い出した。記者の立場であってもそうなのだから、そうした機種を実際に長く相棒として使っていた人にとってはたまらない機会。この三連休、もし新宿を訪れた際にふらりとのぞいてみれば、携帯電話を通じたタイムトラベルを楽しめるだろう。