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プリント基板不要、樹脂表面に電子回路を形成する技術、オムロンが開発

立体的な回路で革新的なウェアラブル製品が可能に

 オムロンは、汎用の樹脂製パーツに電子部品を埋設し、インクジェット印刷で電子回路を形成する技術を世界で初めて開発したと発表した。

 開発された技術は、金属端子を含むさまざまな電子部品を、樹脂パーツの射出成形時に高い位置精度で挿入し、回路パターンをインクジェット印刷で塗布して電子回路を形成できる製造技術。

 この技術を用いることで平面状のプリント基板は不要になり、曲面や立体面上に電子回路の形成が可能になる。曲面のほか、1mm程度の段差、立体面などへ回路パターンを印刷できるため、従来では実現できなかった立体的な電子回路の形成を可能にする。ハンダ付けの工程が不要になり、部品の高耐熱化対策も不要になるため、電子部品のさらなる小型化、高密度実装化が期待できるとしている。

 これらにより、革新的なデザインのヘルスケア製品やウェアラブル機器が提供可能になるとしている。

 従来の技術のような耐熱性のある特殊な樹脂材は不要で、ABS樹脂やポリカーボネートなどの汎用の樹脂製パーツへ電子部品を埋設できる。回路パターンを塗付するためのインクジェット印刷のインクは、樹脂などの液体が浸透しない材質へも塗布できる技術が新たに開発されている。

 製造時の工程は、電子部品の実装、射出成形、インクジェット印刷の3つにまで大幅に簡素化でき、多品種少量生産や、需要変動に応じた生産に対応できる製造ラインが構築できるとしている。