「G'zOne IS11CA」開発者インタビュー

“唯一なるもの”の新たな10年への第一歩


G'zOne IS11CA
高木氏

 2010年12月、無骨なデザインで原点回帰した折りたたみ型のG'zOne TYPE-Xの発売から半年。G'zOneブランドがスタートしてから11年目、G'zOneスマートフォンが登場することになった。IPX5/IPX8等級の防水機能と、IP5X等級の防塵性能、MIL規格準拠の耐衝撃性能を備えつつ、タフさと格好良さがバランスよく同居したタフネススマートフォンに仕上がっている。ファンなら待ちに待った1台に違いない。

 米国モデルとの違い、開発の苦労、発売に対する意気込みなどを、NECカシオモバイルコミュニケーションズのKDDI事業本部 営業グループ 主任 高木健介氏、同部 商品企画グループ 主任 佐合祐一氏、商品開発本部 第二構造設計グループ 主任 永峯健司氏、ソフトウェア商品開発本部 第二仕様開発グループ 主任 後藤悦宏氏、カシオ計算機 デザインセンター プロダクトデザイン部 第四デザイン室 リーダー 杉岡忍氏に伺った。

――G'zOneファン待望のスマートフォンだと思いますが、反響はいかがですか。

高木氏
 商品発表以来、非常に大きな反響をいただいております。スマートフォンに、国内では初となるタフネスコンセプトを持ってきたことが、特に評価されているようです。加えて、今回の商品がカシオとして初めてのAndroid端末でもありまして、それがしかもG'zOneで出るというところに話題性も重なった反響なのかなと思っております。

――カシオ初のAndroid端末が、なぜG'zOneからだったのでしょうか。

佐合氏
 グローバルブランドとして、米国と国内の両方で展開していたというところが、Androidとしては進めやすかったというのはあります。

――今回のG'zOneは、どういったユーザー層をターゲットにされているのでしょう。

高木氏
 ターゲットに関しては、従来同様、我々としては男性中心と考えています。属性的には「スマートフォンにタフネス性能を求める方」ですね。スマホは壊れやすいというイメージがあるので、ハードケースを別途購入して装着されているユーザーを最近よく見かけますが、そういう使い方をしたくない方にもお奨めしたいです。もちろん、現行のG’zOneユーザーの買い替えも期待したいです。ちなみに昔からG'zOneシリーズは、購入者の男女比率が9:1でほとんど一定なんです。圧倒的に男性が買われているブランドということは間違いないので、デザインするにしても、そこはぶらさずに意識して作っています。

ハードウェア面での特徴や違い

永峯氏
佐合氏

――すでに北米ではベライゾンから「コマンドー」が発売されていますが、国内のモデルを作るに当たって、大きく変えたという部分はありますか。

永峯氏
 北米モデルが先に発売になって、そちらの開発が先に進んでいたので、基本的な内部構造とか、デバイスや画面センサーなど、コマンドーを踏襲しているところは結構あります。ただ、仕様的に変えている部分もあります。外装も根本的に違いますので、そういったところは新規に見直して設計しています。

佐合氏
 大きな部分でいうと、やはり国内向けということで、赤外線とおサイフケータイへの対応ですね。これ無しではさすがに国内では受け入れられないと思いましたので、結構な変更量ではあるのですが、しっかりと対応いたしました。

――国内向けというと、いわゆる“三種の神器”の1つである「ワンセグ」を搭載しなかったのはなぜでしょうか。

佐合氏
 ネックはアンテナの置き場所ですね。折りたたみのときは、なんとか電波特性等々を含めて、ワンセグを内蔵アンテナにするということはできていたのですが、今回は1枚板構造の中で、内蔵アンテナをやるのがちょっと厳しかったですね。アンテナ性能を考えて筐体を大きくすれば搭載も可能だったとは思います。また、厳しい基準でタフネス対応というのがG'zOneの設計思想だったりしますので、外出しのアンテナの採用も難しく、そういうわけでワンセグ搭載というのはものすごくハードルが高いんです。グローバルモデルとの共通構造という事もありますし、今回はサイズ感重視で、ワンセグ搭載を見送りました。

コマンドーには検索キーがある

――コマンドーのフロントには検索キーがありますが、IS11CAにはありません。これはなぜですか。

佐合氏
 コマンドーの検索キーはベライゾン様の要望による仕様ですね。ただ、弊社としては3キーというのが使いやすいと考えています。特に右の戻るキーは結構多用します。3キーであれば感覚的に右下を触ればいいっていうのがありますが、4キーになってしまうと、ちょっと見て確認しないと……となってしまいます。ホームキーは、やはりセンターにあって欲しいというのがあるので、基本的には3キーが一番使いやすいと考えています。

――防水端末ということを考えると、できれば卓上ホルダがあったらよかったなと思います。

佐合氏
 グローバルモデルとして開発を進める中で、サイズ感、手持ちグリップ感の良さを優先に進めておりましたので、今回のIS11CAは卓上ホルダを無しとさせて頂きました。ご利用になる方は、蓋の開け閉めによる劣化などを心配されると思いますが、品質保証面で、数千回は開け閉めしても問題ないと検証しておりますので、ご安心ください。


歴代の海外モデルコマンドーとIS11CA

スマートフォン時代のG'zOneのデザイン

杉岡氏
IS11CA

――Androidであっても、一見してG'zOneだと分かるようなデザインだと思います。デザイン面ではどのような点にこだわったのでしょうか。

杉岡氏
 コマンドーを作る前に、G'zOneのそもそものルーツを振り返りつつ、来るべきスマートフォン時代に向けてのG'zOneの進化とはどんなものか? ということで、G'zOne系のチームでスタディモデルを何種類か作り、アンケート調査を行いました。次のG'zOneの先進感がちゃんと受け継がれたようで、北米のユーザーさんからは非常に共感を得られました。そのテイストを、元に設計条件に合わせて、スマートフォンとして落とし込んだらどういうデザインになるか、ということでできたのがコマンドーです。それをさらに国内向けにデザインしました。

 当初は、モニターがほとんどの面積を占めるスマートフォンでのG'zOneというのが、そもそもありえるのかとう葛藤があったんですが、北米のユーザーさんの反響を信じて、国内でも同じように共感してくれる人が必ずいるんじゃないかと思い、同じテイストのデザインでチャレンジしました。

――北米のユーザーからは、具体的にはどんな声があがってきたのですか?

杉岡氏
 見た目強そうでいいとか、ちゃんと守られてる感じがするとか、こんなモデルを待っていたなど日本の方よりも直接的で素直な感想を述べる方が多いですね。コマンドーで表現した、新しい堅牢性の表現や、持ってて安心するというテイストを日本の仕様に合わせつつ、よりタフ構造を追究してブラッシュアップしたのがIS11CAということになります。

――日本向けにデザインし直す上で、大きく意識した点はどんなところでしょう。

杉岡氏
 日本向けだからと、あえて限定した考え方はないんですが、G'zOne TYPE-Xが発売されてからすぐスマートフォンが出てしまったという感覚があると思うんですね。それでもやっぱり欲しいと思っていただけるような要素として、G'zOne TYPE-RやTYPE-Xのモータースポーツに付随するイメージ感といいますか、コマンドーよりも、例えばモーターショーとかのショーカーみたいなインパクトがありつつ、光の陰影の美しさや細部までこだわったディテールでずっと眺めていたくなるような、そんなテイストをできる限り盛り込んでみようと思いました。北米モデルは1色ですが、日本では赤、緑、黒の王道的な3色を用意しました。

――スピーカーが前に2つ付いていますね。

佐合氏
 もともとベライゾン様向けのG'zOneは、日本でいうところのコンシューマー向け、ではなくて、どちらかというと、現場で使う法人ユーザーに売れているというのがありまして。Push to Talkで大きな音で聞こえて会話できるというのがウリなんですね。それをそのまま国内に持ってきたので、フロントにツインスピーカーという形になっています。

 他社さんは背面にシングルで、というのがほとんどですよね。これは表をスッキリさせたいからというのがあると思うんですが、我々は外見がタフで防水というだけではなくて、「基本機能もタフ」ということで普通にテーブルに置いていても非常によく聞こえる性能を実現しました。

――コマンドーにはカメラのシャッターキーがありますが、日本向けにはないですよね。

佐合氏
 せっかくタッチで使うコンセプトの商品なのに、キーが多くなって、複雑になりすぎてはいけない。デザインをよりすっきりさせたいということで、シャッターキーはなくしています。

カバーなしで使える耐衝撃性能

――最大の特長である耐衝撃性能についてですが、結構苦労されたのではないでしょうか。

永峯氏
 耐衝撃性能の確保という部分においては、苦労したというのは確かにありますね。これまでのG'zOneで培ってきたノウハウは生かされていますが、液晶の周りをマグネシウムの合金フレームで覆ったりといったところなどもポイントの1つです。

 デザイン的な要素にもなりますが、いわゆる固いプラスチックの樹脂では強度が持たないということもあって、上下にウレタンエラストマーのバンパーを配置して、衝撃を吸収するような構造にしています。先端形状の尖り具合や、バンパー凸量といったところは落下強度を確保するために、構造解析による最適なところを、デザイナーチームと0.1mm単位で調整しながらやらせていただきました。

 12時側のセンターには、デザインのポイントになるバンパーがありますが、これだけでは衝撃に不十分ということで、裏側のGoogleのロゴがはいっている部分のパーツ全体をウレタンエラストマーのプロテクターにしています。これにより、落下の衝撃、強度を持たせる構造に配慮しました。液晶についても、周囲をマグネシウムの合金フレームで覆うことで、ひねりや衝撃にも強く、破損しにくい設計をしています。

杉岡氏
 3色あるうち唯一、赤いモデルだけは、正面は光沢ツヤなんですけれども、そのウレタン部分だけはちょっとツヤが落ちているんですよね。言われないと気がつかない人が多いと思うんですが、プラスチックの部分はある程度固いので、衝撃を受けた際、そんなに変形することはないですが、エラストマーの部品は柔らかいので、衝撃を受けるとその分凹みます。変形するわけですね。そのときに、表面の加飾がダメージをうけないようにしたい。塗装の剥離などのダメージを最小限に抑えたい。でも、デザイン的なポイントカラーは突き通したいということで、特殊なつや消しの塗装をしています。

――ウレタンエストラマーのプロテクターや、マグネシウムの合金フレームの話がありましたが、他の一般的なスマートフォンですと、必ず外にケースをかぶせて、落としても多少のことでは壊れないようにするというのが当たり前になっています。この端末はむしろ剥きだしで使ってもらいたいとお考えですか?

杉岡氏
 はい。ネット上の書き込みなどを見ているんですが、「ほかの端末だとカバーを買って、カバーをつけたくなるんだけど、このデザインに関しては、カバーをつけないで持ちたい」と思ってくれているユーザーさんが相当多いのかなと感じています。やはり、あえて素で持ちたいと思わせるくらいのデザインを追究したほうがG'zOneらしくていいかなと思っています。

佐合氏
 ケースメーカーさんとお会いして端末を見せると「んー、これだといらないですね……」とおっしゃるデザインになっています(笑)。

――液晶のガラスですが、これも保護フィルムを貼らないで使っても安心ですか?

永峯氏
 IS11CAの液晶には、TYPE-Xと同じGorillaガラスを使用していますので、保護フィルムは貼らずに直接お使いいただいても、すぐに傷がついたりという問題はないかと思います。デザイン上でも、液晶の周りを囲むフレームに段差を設けており、ガラス面には直接触れにくい構造にすることで、衝撃や傷に強い設計にしています。

G'zOneのアイデンティティや世界観をAndroidと調和

後藤氏
G'zGEAR

――中のソフトウェア部分では、G'zOneのテイストを守るG'zGEARなど、リッチに再現されてますよね。今回のモデルではどのような点に力を入れられましたか。

後藤氏
 今までハードで表現していたアイデンティティとか世界観を、全面タッチパネル端末という事もあり、GUIやアプリとして実現しました。特に今まで背面LCDなどで表現していたG'zのアイデンティティでもある時計やセンサー表示を、ロック画面やウィジェットで実現しました。機能面で一番特徴のあるG'zGEARに対しても、スマホらしい機能を追加しました。ユーザーにいつでもどこでも、地球を感じてもらえるようにウィジェット機能の追加やタッチUIによる操作性の向上をしました。また、Androidになり「地図(Google Maps)」を手に入れることができました。そのことによりG’zGEARの使い方もよりリアリティが出てきました。G'zGEARを使ってGoogle Maps上にログを残したり、SNSを使って情報をシェアしたり、Androidの機能とうまく調和することにより、利用シーンの幅を広げていきました。今までのフィーチャーフォンにはなかった、新しいスマホG'zOneの世界観を構築できたかと思います。

――折りたたみの時代は、丸いサブディスプレイが特徴的でしたが、そこがロック画面のコンパスに反映された感じですか。

後藤氏
 そうですね。スマホでは意外と一番よくユーザーの目につくところとして、ロック画面があります。立ち上げるときに必ず見ますし、そこに一番アイデンティティをイメージしやすいと考え、ロック画面にG'zらしさを表現しました。

 このほかにもIS11CAでは「Activeキー」を追加しました。これはアウトドアなどのアクティブなシーンでも、より簡単な操作で機能を呼出せるキーとなっております。どんなときでも押してもらえば「Active Slot(アクティブスロット)」が起動し、すぐ使いたい機能を選択できるようになりました。GUIデザインも実に特徴的でIS11CAの新しい顔となっております。また、このキーは今までも好評だったモバイルライトにも設定できます。そんな特徴も今回踏襲しました。

――素のAndroidから大きく変えたところ、あるいは北米のモデルから大きく変えたところは何かありますか。

後藤氏
 北米モデルとの違いで言えば、まずOSバージョンを2.2から2.3に上げたことですね。それに、はじめてスマホを使われるユーザのために、Eメール、Cメールやおサイフケータイ機能を追加しました。また利用頻度の高い文字入力も、カシオケータイでずっと採用していたATOKを搭載しております。

――おサイフケータイは、Android初チャレンジのG'zOneでいきなりサポートされていますよね。ハードルとしては結構高かったのではないかと思うのですが。

永峯氏
 先行して開発したコマンドーにはない機能を追加することになるわけで、当然チップの置き場ですとか、アンテナまでの配線、アンテナの置き場所などは、後からどうやって入れようかと非常に悩んだところです。結果的に、サイズは予定より大きく変更せずに搭載できたんですが、アンテナの置き場に工夫があります。実は電池パックの中に仕込んであるんです。

――確かに触るとコイルが入って出っ張っているのがわかります。外周にコイルを回したり、蓋につけるという方法もあったのではないかと思うのですが。

永峯氏
 まず外周を通す件については、すでに存在するデバイスや、耐衝撃の領域の関係上現実的ではありませんでした。電池蓋につけようという案もあったのですが、本体と何らかの形で接点をとって接続させないといけません。いろんなパターンを検討した中で、もともと電池パックには本体と接続しているポイントがありますので、そこが一番確実に、接触、接続ができるということで電池パックに実装しました。今回は、構造上他に行くことができなかったのでこういう手法をとりましたが、今後変わる可能性はあると思います。

操作性への配慮

――最初に手に取ったときから握りやすさを感じていますが、何か特別な工夫をされているのでしょうか。

杉岡氏
 コマンドーを先に開発していたことで、実際のユーザーさんがどういう印象を持たれたのかというデータは蓄積されていました。昔からG'zOne系はラフに使うという感覚があるので、自分たちでも実際の製品を握ってみて、にぎり心地を改善できないか検討しました。さらに国内向けに落とし込むときには、つっこんで考えたいなということで、大幅に背面の形状を見直したんですね。だからフィット感が相当増しているはずです。さらに左側にあるActiveキーのところに指がスッと入って、そこを長押しすると、アクティブスロートが立ち上がる。この一連の動作は、「にぎり心地=使いやすさ」みたいなところに繋がっていくのではないかなという気がしています。それから、背面の特徴的なダイヤモンドエンボスですね。滑り止め感みたいなところも、多少加飾も含んで配慮した点です。

――スマートフォンでは、最近「サクサク感」という言葉がよく聞かれますが、動作への反応スピードなどについてはいかがでしょうか。

後藤氏
 今回は、Androidを快適に使ってもらいたいと思い、何度もユーザーテストを行いました。結果、速ければいいわけでもないということが分かりました。たとえば、リストをスクロールするときを考えると、電話帳で選択する際に、ある程度文字を見やすいスクロール速度にしたり、フリックした際にちょうどよくブレーキをかけたりとユーザが快適に操作していただけるよう何度もチューニングを行いました。きっと「サクサク感」以上に「快適感」を感じていただけると思います。

――防水のフルタッチなわけですが、画面が濡れた状態での操作に関して、何か配慮はされていますか。

佐合氏
 ちょっとした水滴では反応しないようになっているので、小さい水滴がたくさんついているような状態でしたら、概ね指で普通に操作できます。ただ、その水滴が繋がってきて、大きくなってくると、どこかで指だと判定してしまう恐れがありますね。さらに水にどっぷり浸かってしまったときは反応しないような制御を入れています。水滴か指かの判断は、加圧とのハイブリッドにする方法などあるのかもしれないですが、今後はそこもケアしてかなければいけない部分だと感じています。



――フィーチャーフォンから乗り換える方の中には、スマートフォンで通話操作やインターネットの使い方が分からなくなる場合もありそうですが、使いやすさへの工夫はありますか。

後藤氏
 スマートフォンになり、通話もインターネットもひとつのアプリケーションとなった点が今までと大きく違うかと思います。また今までのように通話・終話・インターネット(旧EZweb)キーがないため、すぐに電話をしたい場合やブラウジングしたいときなどに困ってしまいます。そこで通話とブラウザは必ずここから、とわかるように、ホームに固定で配置しました。

 また、通話中の操作では社内でも苦い経験している人が多いですね。マルチタスクが原因で通話中に誤操作でうっかり裏に回ってしまうことがあります。そうなるとすぐに電話を切ったりすることができずにあたふたしていまう経験がありました。そのため近接センサーによって、通話中は必ず通話画面が上にくるような仕組みも入れたりしてます。他にも「ユーザー補助」の中にある「電源キーで通話終了」設定を使うと便利かもしれませんね。折りたたみ型端末でいうところの、端末を閉じると終話するような感覚ですね。

 日本のケータイって積み重ねのノウハウがかなりあると思うんですね。まだ、スマホは発展途上なところがありますが、このノウハウを活かしてグローバルでも通用する仕様を展開していきたいと思ってます。

――最近、タブレットのサイズが話題になることが多いですが、大きく、重くなるほど落下時に壊れやすくなりますから、タフネス性能が欲しいと思ったりします。タブレット開発に関してはどうですか。

佐合氏
 ノートパソコンを持ち歩いているようなものだと思うので、スマートフォン以上に落として壊したくないというニーズは間違いなくあるとは思っています。社内的にも検討する取り組みはあります。

 今後の取り組みとしては、カシオ計算機のほうで発表されている「スマートフォンと通信できる“G-SHOCK”」との連携は考えています。G'zOneとG-SHOCKということで相性はいいですし、ユーザーさんから見ても情緒的な価値観は高いと思いますし。

――それでは最後に一言ずつお願いします。

後藤氏
 スマホになったG'zOne。様々なアプリと組み合わせることで今までのケータイにない新しい使い方ができるようになりました。他のスマホにない、さまざまなアクティブシーンでも活用していただけるモノに仕上がっています。是非、IS11CAとともにアクティブになっていただけるとうれしいです。

永峯氏
 今回は、開発が佳境に入った時期に震災があり、かなり影響を受けました。パーツを担当されているメーカーさんも被災されたところがあり、一時はダメかと思ったのですが、各メーカーの方々が本当にがんばってくださいまして、震災後10日ほどで稼動していただけたところもありました。多くの方々の協力があってできた端末だと、非常に誇りに思っています。

 おかげさまで、今までのスマートフォンとは、外見も中身もひと味違うスマートフォンに仕上がりました。今までG'zOneが好きだった方だけでなく、今回初めてG'zOneを知った方にも楽しんでいただけると思いますので、より多くの方々に使っていただけたらうれしいです。

杉岡氏
 G'zOneには「唯一無二なるもの」というコンセプトが根本にあって、TYPE-Xが折りたたみタイプの集大成といえます。今回のIS11CAは、スマートフォンのG'zOneの原点なので、コアファンであるG'zOneユーザーの反応がどうなのか、非常に気になるところです。ポジティブもネガティブも両方受け止め、今後の進化につなげたいと考えていますので、ユーザーのみなさんには、ぜひその思いを発信していただきたいと思っています。

佐合氏
 当初は、Androidにすることや、北米モデルを国内に持ってくる不安などがありましたが、開発陣、社員みんなが「これ、かっこいい」「これ、使いたい」「これは行けるよね」と思っているモデルに仕上がりました。ぜひユーザーの方も安心して買っていただけると思っていますので、よろしくお願いします。

高木氏
 G'zOneは今年でブランド立ち上げて11年目になります。新しい10年のスタートとして、G'zOneスマートフォンができました。まずはこの最初のG'zOneスマートフォンを手にとっていただきたいです。我々としては今後G'zOneブランドを、グローバルブランドとして育てていきたいという思いがあるので、これからの進化にぜひ期待していただきたいなと思います。

 グローバルという意味では、アメリカと日本で発売していますが、今回、世界にまたがるファンの存在というのを、みなさんに知ってもらいたい、G'zOneブランドに対する思い、G'zOneスマートフォンに対する期待などを自由に寄せていただきたいという思いから、発表と同時に「G'zOne Global Fan Wall」というサイトを立ち上げました。G'zOneをグローバルブランドとして、みなさんに感じてもらえればうれしいです。

――本日はどうもありがとうございました。

 




(すずまり)

2011/7/5 06:00