【Mobile World Congress 2017】

クアルコム、802.11adでメルセデスF1チームをサポート

 例年、Mobile World Congress(MWC)と同じ時期にバルセロナで開催されるのがモータースポーツの最高峰となるF1の合同テスト。そのF1でここ数年トップに君臨するのがメルセデスのF1チーム(Mercedes-AMG Petronas Motorsport)で、クアルコムが2015年から同チームの公式技術パートナーとなっている。両社はMWCの会期にあわせ、2月28日にバルセロナ市内でパーティーを開催した。

 パーティーには、メルセデスからチーム責任者のトト・ヴォルフ氏や技術責任者のジェフ・ウィリス氏に加え、昨シーズンに総合優勝を果たし、その直後に電撃引退を発表したニコ・ロズベルグ氏が参加。それぞれがクアルコムとの関係を語った。

 サーマルカメラを搭載するなど、センサーの塊とも言えるF1マシンは大量のデータを生み出すようになっている。それを解析することで、ラップタイムを百分の一秒単位で削っていくのがチームの仕事となるが、マシンにPCを繋ぐ従来のやり方ではデータ転送にかなり時間がかかってしまう。

 そこで両社では2015年と2016年のアメリカGPにおいてピット内でデータをワイヤレス転送するテストを行った。初期のテストでは5GHz帯のIEEE802.11acが使われていたが、今後は60GHz帯のIEEE802.11adも組み合わせた形で実用性を高めていく。マシンには、車載センサーからの情報を処理するSnapdragon 820と128GBのフラッシュメモリが搭載され、IEEE802.11adをサポートするQCA9500と組み合わせてスムーズなデータ転送を実現するという。