【Mobile World Congress 2013】

Xperia ZやXperia Tablet Zをアピールするソニーモバイル

 ソニーモバイルのブースには、25日(現地時間)に発表されたグローバル版の「Xperia Tablet Z」や、CESで発表された「Xperia Z」が展示されている。

端末はXperia ZとXperia Tablet Zが中心。欧州ではまだ販売が開始されたばかりで、来場者からの注目度も高かった
国内でも販売が決定したWi-Fi版の設定画面。当然ながら、モバイルデータ通信の設定項目が存在しない
ソニーモバイルのブース。ソニー製品のVAIOなども置かれており、「One Sony」を印象づける

“ソニーの体験”を重視したブースの構成

 ブースには単に商品が飾られているだけでなく、「モバイルブラビアエンジン2」や「Exmor RS for mobile」、NFCによるワンタッチ接続といったソニーの技術を体験できるコーナーが設けられ、来場者がXperiaのさまざまな機能を試す様子が見受けられた。

Xperiaのカメラに、ソニーがデジカメで培った技術が生かされていることを一目でアピールする展示内容
「モバイルブラビアエンジン2」の効果が分かるよう、1画面にオンとオフ両方の状態が表示されている
ディスプレイを拡大して、表示できる仕掛けを展開。自分の端末と比較できるようになっていた

 また、ケースやスピーカーなどの周辺機器にも、大きくスペースが割かれている。純正のオプション品はもちろんのこと、エレコムやバッファローなど、サードパーティが発売するアイテムも展示されており、Xperiaのアクセサリ市場の広がりをアピールしていた。

ソニー製アクセサリーの数々。オーディオ関連のアクセサリーが多いのも、ソニーならではの強みだ
サードパーティ製のアクセサリも展示されている。豊富なアクセサリーが用意されるのも、Xperiaの魅力といえるだろう

 アプリケーションのコーナーでは、「PlayStation Mobile」や「Sociallife」、「Walkmanアプリ」「アルバム」など、ソニーモバイルやソニー関連企業の開発した“純正アプリ”が展示され、それぞれを実際に試すことができた。このコーナーの裏にはサードパーティ製アプリも展示されており、ソニーモバイルがエコシステムの構築に積極的な姿勢が垣間見えた。

ソニー製のアプリや、サードパーティのアプリがズラリと並べられている

海外でじわりシェアを伸ばす、ソニーモバイル

ソニーモバイルのXperia Marketing Programme、Calum MacDougall氏

 このように、海外の展示会でも注目を集めているソニーモバイルのスマートフォン・タブレットだが、すでにXperia Zの販売が開始された欧州でも、反応は上々なようだ。

 プレスカンファレンスでは、ドイツのソニーストアに行列ができ、2時間で完売に至ったと説明された。そのほかの国でも好調で、「フランスでは通常12週間ぐらいかかる台数が、1日で売れた」(Xperiaマーケティング担当、Calum MacDougall氏)。また、現在予約を受け付けているイギリスでは「ヘッドホンを予約特典でつけたが、今まで一番調子がいい」(同)という。

 ソニーモバイルは欧州、アジアを中心にシェアを伸ばしており、サムスン電子やアップルに次ぐ形で、地域別に見ると第3位の位置を確立しつつある。ソニーの完全子会社になり、「ソニーのすばらしい技術を統合したことで、商品力が上がった」(同)ことが評価されているようだ。Xperia Zについては日本市場で培ったノウハウをつぎ込んだ防水・防塵機能が、欧州でも注目されているとのこと。

 「コンシューマーを調査すると、ベネフィットは感じているが、今までは防水というとラギッドフォン(G'zOneのような、耐衝撃性能まで備えたゴツいケータイ)が一般的だった。一方でXperia Zは、デザインや機能に妥協なく、新しい技術を持ち込んでいる」(同)。

 ブースにはXperia Z、Xperia Tablet Zしか置かれていなかったが、「ローエンドをやらないわけではない」(同)とのこと。「ソニーのプレミアムをミドルからローエンドにも入れ、差別化をしていく」(同)という方針で、その展開を可能にする鍵となるのがCESとMWCで発表されたフラッグシップの2機種になるというわけだ。

石野 純也