【Mobile World Congress 2012】
カメラや音楽機能にこだわった「HTC One」シリーズ3機種を発表


HTC One X

 スペイン・バルセロナで27日(現地時間)に始まる「Mobile World Congress 2012」に先がけ、26日(同)にHTCがプレスカンファレンスを開催した。会見にはCEOのピーター・チョウ氏らが登壇。Android 4.0を採用した「HTC One X」「HTC One S」「HTC One V」の3機種を発表した。

HTC One SHTC One V

プレゼンテーションを行う、HTCのCEO、ピーター・チョウ氏

 プレゼンテーションでは、個別の機種の詳細の前に「HTC One」としてのユーザーエクスペリエンスに話が及んだ。まず紹介されたのがカメラ機能で、HTC One XとHTC One Sは800万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用している。HTC One Vも画素数こそ500万だが、裏面照射型CMOSという点は同じだ。チョウ氏が「人々のベストな瞬間を捉えられる」というように、撮影が0.7秒、オートフォーカスが0.2秒と非常に動作が速い。

カメラのUIも一新。裏面照射型CMOSセンサーを採用しているのも特徴だ

 また、HTC One XおよびHTC One Sの2機種には「ほかのハイエンドなスマートフォンよりも44%も明るい」(同氏)レンズが搭載され、F値は2.0となる。被写体との距離に応じて5段階に光量を調整するフラッシュや、HDR撮影機能も、HTC Oneの共通点といえるだろう。プレゼンテーション中には、HDRの性能のよさを、iPhone 4Sと比較する一幕もあった。さらに、動画撮影中に写真を撮れたり、動画再生中に写真を切り出せたりといった機能も利用できる。

撮影がわずか0.7秒で完了することが紹介されたF値2.0とレンズが明るく、暗い場所でもしっかりと被写体を捉えられる
フラッシュ自動調整機能が搭載されており、被写体を自然に撮れるHDR撮影機能の紹介時に、iPhone 4Sとの仕上がりを比較した資料も映し出された
動画撮影時、再生時にもシャッターボタンが現れる動画撮影中に写真を撮影できたりや、動画再生中の切り出しに対応

 次に紹介されたのが音楽機能で、HTCは昨年、米国オーディオメーカーの「Beats Electronics」を買収している。HTC Oneの音楽機能にはこの会社の技術が生かされており、チョウ氏は「動画でも、ゲームでも、YouTubeでもベストな音楽体験を提供する」と語る。また「PCを1回つなげるだけで、楽曲やプレイリストを自動的に取り込む」(同氏)仕組みも提供される。

カスタマイズ可能な音楽用ハブ機能。多彩なコンテンツにアクセスできる車との連携にも力を入れており、車載専用のメニューを内蔵。ここからも音楽再生を行える

 こうしたHTC Oneシリーズの説明を行ったうえで、チョウ氏が「最先端の経験をお届けするスーパーフォン」と評するHTC One Xが披露された。このモデルは、NVIDIAのクアッドコアCPUである1.5GHzの「Tegra3」を内蔵し、720pの解像度を持つ4.7インチディスプレイを搭載する。HTC One XにはLTE対応版も用意される見込みで、その場合のCPUはクアルコムが開発した1.5GHzデュアルコアの「Snapdragon S4」になる。フラッグシップのHTC One Xに対し、バリエーションの1つとして紹介されたのがHTC One Sで、こちらは4.3インチのQHDディスプレイを搭載。1.5GHzのデュアルコアCPUであるSnapdragon S4をメインとしている点も、HTC One Xとの違いだ。

 対するHTC One Vは「ヒットした『HTC Legend』(日本未発売)というクラッシックをアップデートした」(デザイン担当のSCOTT SROYLE氏)もので、前面にあるセンサーキー下の面積が広く取られており、その部分がラウンドした独特なデザインを継承している。スペックはHTC One XやHTC One Sほど高くなく、1GHzのシングルコアCPUを採用し、ディスプレイも3.7インチのワイドVGAとなる。

HSPA対応モデルはNVIDIAの「Tegra3」、LTE対応モデルはクアルコムの「Snapdragon S4」を搭載「く」の字のように、本体下にカーブがついている。デザインは「HTC Legend」に近い

 HTC One X、HTC One S、HTC One VともにOSはAndroid 4.0で、HTCの独自UI(ユーザーインターフェイス)の「HTC Sense 4」にも対応。最新OSに対応するためか、キーの配置が従来のHTC端末とは異なり、左からバックキー、ホームキー、最近使ったアプリキーとなる。サイズと重量は、HTC One Xが134.36×69.9×8.9mmで130g、HTC One Sが130.9×65×7.8mm、HTC One Vが119.5g、120.3×59.7×9.24mmで115g。グローバル市場で、4月から発売が開始される。プレスカンファレンスでは、チョウ氏によってHTC Oneシリーズの導入が決まった140を超えるキャリアも発表された。ただし、このリストの中にはNTTドコモ、au、ソフトバンク、イー・モバイルなどの名前はなく、日本で発売するかどうかも現時点では不明だ。

OSにはAndroid 4.0を採用しているが、UIは「HTC Sense 4」となる。アプリ一覧のメニューなども標準のAndroidとは異なる設定メニューの中は標準のAndroid 4.0よりカラフル
アプリの履歴表示も、横スクロールだ導入が決まった全世界のキャリアを披露した。ただし、日本のキャリア名は見当たらなかった。

(石野 純也)

2012/2/27 11:43