【Mobile Asia Expo 2014】
ドコモ、テスラ「モデルS」採用のソリューションやTD-LTEローミングを展示
(2014/6/12 19:16)
テスラ「モデルS」を展示
特に注目が高く、来場者でごった返していたのが、ブースの中央に鎮座していたテスラの「モデルS」だ。米テスラが開発した電気自動車で、車内には大型のタッチスクリーンを搭載。音楽プレーヤーやブラウザなどはここで操作できる。3Gの通信モジュールが内蔵されており、車が直接ネットワークにつながる仕組みだ。10日に発表があったとおり、日本で販売される車両はドコモが通信回線を提供する。ただし通信モジュールはテスラ側が組み込んだものとなり、ドコモはあくまで回線とAPIを用意する形となる。
展示されていた「モデルS」は中国向けのもので、実際にドコモのネットワークにつながっていたわけではないが、同様の通信機能が日本で実現できる見込み。また、テスラのセンター側がSIMカードのアクティベートや、モジュールの故障チェックなどを行えるWebのAPIが用意される。米国でも同様の仕組みが採用されており、こうした機能を提供できたこともドコモ回線が選ばれた理由の1つだったという。
TD-LTEローミング
中国・上海でのイベントということもあり、ブースにはTD-LTEローミングに関する取り組みも展示されていた。中国のキャリアでは、同国が強く推進するTD-LTE(日本ではAXGPやWiMAX 2+と呼ばれる)が採用されており、グローバルで主流のFDD方式のLTEとは互換性がない。そのため、TD-LTEに対応した端末でなければ、そもそもネットワークに接続することができない。こうした事情もあり、ドコモはグローバルでFDD方式のLTEローミングを開始する一方、中国では3GもしくはGSMでのローミングとなっている。
ただし、ネットワーク側でのローミングの仕組みは、すでにほぼ解決しているという。ブースにはZTE製のTD-LTE対応ルーターが置かれており、ドコモのSIMカードを挿した状態で、中国移動(チャイナモバイル)のTD-LTEに接続する様子を確認できた。説明員によると、「まだ端末をどのように提供するのかは検討中」とのこと。新端末を国際ローミングのためにTD-LTEに対応させる、あるいは今回展示されたような形のルーターなどを貸し出すなど、さまざまな方法を検討しているようだ。
また、ドコモブースでは、スマートフォンをPCなどのブラウザから遠隔操作する「Mobizen」のデモが行われていた。Mobizenは、ドコモの「スマートフォン安心遠隔サポート」を開発したRSUPPORT社が提供しているソフトウェアで、一部がドコモ向けにカスタマイズされているという。スマートフォンの画面をそのままPCに映し、直接操作ができるほか、ストレージ内の写真や音楽なども操作できる。Googleアカウントでログインする仕組みで、利用にはアプリのインストールが必要。PCのブラウザは、Internet Explorer、Chrome、Firefoxが対応している。
ウェアラブルに対する取り組みとして展示されていたのが、生体情報を測定できる繊維の「hitoe」だ。こちらは1月に東レとNTTが発表した素材で、ドコモはこれを活用したサービスを検討している。ブースの説明員によると、年内のサービス開始を目指しているとのこと。Mobile Asia Expoでは、hitoeで作った女性向けの服も初めて展示したという。