【Mobile Asia Expo 2014】
日本のTD-LTEを語るソフトバンク元顧問の松本氏、770Mbpsのデモも実施予定
(2014/6/11 19:05)
「Mobile Asia Expo 2014」に合わせ、TD-LTEを推進する業界団体のGTIは、講演イベント「GTI Asia Conference 2014」を開催した。そのセッションの1つに、ソフトバンクで顧問を務めていた松本徹三氏が、自身の会社であるジャパンリンクのCEOとして登壇。日本におけるTD-LTEの状況について解説した。
松本氏は、WiMAX陣営がTD-LTEと互換性を持たせる動きに言及。2月に開催されたMobile World Congressでは、WiMAXを推進するWiMAX ForumとGTIの両者が協力する覚書を締結しており、WiMAX 2.1(UQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」とほぼ同等)については、TD-LTEとの互換性が確保されるとした。WiMAXのライセンシーは世界各国で500を超えており、これらがTD-LTEに合流するため「高いポテンシャルがある」という。
日本での事例としては、UQコミュニケーションズがWiMAX 2+を採用し、TD-LTEの陣営に加わったことを紹介。ソフトバンクについては「新たな投資はほとんどがLTE」と述べ、TD-LTE(ソフトバンクグループではAXGP)は「都市部を中心に設備を敷設している」。松本氏によると、その理由は「LTEは全国に展開しているが、70%のトラフィックは3つのメジャーな都市(東京、大阪、名古屋)。データトラフィックは都市部に集中している」からだという。
また、FDD、TDDそれぞれの大まかな契約者数も紹介された。松本氏が示したデータによると、3月時点での(日本の)FDD-LTEの契約者数はおよそ1000万。これに対して、TD-LTEは343万となる。TD-LTEが伸びているのは「iPhoneなどのフラッグシップがTD-LTEに対応していなかったが、22種類のAndroid端末やWi-Fiルーターが対応している」ためだという。
このほか、松本氏は、3.5GHz帯でソフトバンクが来週行う実験の概要を解説。3.5GHz帯の80MHz幅を使い、下り最大770Mbpsを実現するデモを披露するという。このデモは、6月17日から19日に東京で開催される「The International Wireless Industry」で実施予定だ。