【Mobile Asia Expo 2013】

お膝元の中国メーカーも出展多数、Firefox OSも披露

 工業製品の生産地として名高い中国で開催されている展示会だけに、「Mobile Asia Expo 2013」には、さまざまな地元企業もブースを出展していた。グローバルで大企業となったファーウェイやZTEの地位を狙うメーカーが、こぞって新製品をアピールしていたのが印象的だった。

 パソコンやタブレットのメーカーとしておなじみのレノボも、中国向けにはスマートフォンを投入している。最新のフラッグシップモデルは、5.5インチのフルHD液晶を搭載した「K900」だ。インテルのチップセット「Z2580」(2GHz駆動)を搭載しているのも特徴で、ボディは6.9mmと非常にスリム。金属を採用しており、質感にもこだわった1台となっている。

インテルのチップセットを搭載したレノボの「K900」。金属のボディを採用する

 レノボブースには、Z900のほかにも、ポップなカラーリングが目を引く「S820」や、防水・防塵性能を備える「S750」などのラインナップが展示されていた。

ポップなカラーリングのコンパクトモデル「S820」や、防水・防塵が特徴の「S750」なども展示されていた

 新興スマートフォンメーカーとして頭角を現してきているBBKは、大々的に新製品の「Vivo Xplay」をアピール。5.7インチのフルHDディスプレイを搭載し、厚さも7.99mmに抑えた同社のフラッグシップモデルだ。OSにはAndroid 4.2を採用。専用チップを搭載し、音楽再生のクオリティを向上させている。5メガピクセルの裏面照射型CMOSセンサーを採用したインカメラは、88度の広角撮影に対応するなど、中国でニーズの高い“自分撮り”にもこだわった1台だ。

大画面、薄型、高音質の3拍子備えたフラグシップスマートフォン。中国を初めとするアジア圏では、このような大画面端末が人気だ
UIの作り込みも独特で面白い。写真は片手操作用に小さな画面を重ねて表示するモード

 また、同じVivoブランドを採用する薄型スマートフォンが、「Vivo X1」。6.55mmと非常に薄く、ファーウェイの「Ascend P6」が登場するまで、世界最薄をうたっていて1台だ。会場の説明員によると、「近々、『Vivo X3』を発表するが、こちらは6mmを切る」といい、ファーウェイへの対抗心をのぞかせる。Vivoブランドの端末はいずれも独自UIを備えており、片手操作にこだわった機能を搭載するなど、作り込みにも余念がない。

6.55mmを実現した「Vivo X1」。当時は世界最薄を誇っていた

 Firefox OSを開発するMozillaも、Mobile Asia Expoにブースを出展していた。Firefox OSに並べられていた端末は、中国メーカー2社のもの。ZTE製の「ZTE Open」と、TCL製の「One Touch Open」だ。いずれも2月に開催されたMobile World Congressで発表されたモデルだが、新OSということもあり、多数の来場者が訪れていた。

Mozillaは、Firefore OS搭載の2機種を展示していた。
「Dremfone」も展示されていたが、これは開発者用のテスト製品とのこと。キーを見る限り、元々はAndroid端末だったと思われる。説明員にメーカーを尋ねたが「分からない」とのことだったが、どうやら「Dreamfone」という中国メーカーのようだ

 一方で、会場の説明員によると、Firefox OSの中国での知名度はまだまだといったところだそうだ。2月の発表では中国聯通(チャイナユニコム)もアライアンスに名を連ねていたが、端末はまだ発売されていない。こうした事情から認知度向上の目的もあり、今回のMobile Asia Expoに出展しているようだ。説明員は「中国には端末メーカーが多い。これからも続々と製造メーカーが増える」といい、中国企業のポテンシャルに期待をのぞかせていた。

石野 純也