【CES 2016】

Cerevo、開発を引き継いだクラウドマイク「Listnr」を展示

Cerevoブース

 日本の家電ベンチャー・Cerevoは、今年もCESにブースを出展し、さまざまな製品を展示していた。

 「Listnr」はクラウドサービスと連携する音声記録装置、つまりマイクだ。周囲の音を拾い、クラウドサーバー上で解析するとった用途に使われる。

 「Listnr」自体は、Interphenomにより、昨年のCESで赤ちゃんの泣き声を検知する用途で公開され、Kickstarterでクラウドファンディングのプロジェクトが開始されて目標金額も達成していた。しかし、Kickstarter側から、理由が明らかにならないままプロジェクトが停止されたという経緯がある。その後、開発をCerevoが引き継ぎ、デザインや製品コンセプトを修正しつつ、今回の展示に至っている。

Listnr(左)の展示

 Listnrにはマイクが1つ搭載されており、周囲の音をクラウドサーバーに転送する機能がある。これにより、たとえば音をストリーミング配信したり、クラウドサーバー上で解析して何らかの機能を提供したりする。

 Cerevoからはまず、パナソニックの「xauris」という解析エンジンを使った、「声から感情を分析して色で表現する」という機能が提供される。このほかの機能もサーバーを構築することで追加可能で、他社との協業などが想定されている。

 Listnrは今月発売予定で、価格は139ドル。日本円での価格は未定とのこと。

 ちなみにLisnrの開発は、UPQの社長でもあるCerevoのプロダクトマネージャー、中澤優子氏が担当している。Listnrのデモでは、連携するスマートフォンにUPQのA01が使われていた。

 Cerevoブースではこのほかにも、会期前日に発表したプロジェクター搭載ロボット「Tipron」や3Dプリンターを使った自転車フレーム「ORBITREC」、ORBITRECにも搭載されている自転車モニタリングデバイス「RIDE-1」など、Cerevoの最新製品が展示された。

Tipron。目立つ展示・デモなので、来場者の注目も高い
欧米では自転車競技の人気が高いので、ORBITRECも注目を集めていた

 さらにCerevoブースに間借りするような形で、Up Performaとno new folk studioが小ブースを出展しており、それぞれサッカー用トラッキングデバイス「Eagle Eye」とセンサー/LED内蔵シューズ「Orphe」を展示している。

Eagle Eye

 Up Performaの「Eagle Eye」はサッカー選手が装着し、試合中の動きを試合後にスマートフォンなどで解析するというシステム。デバイス価格(1台150ドル程度)だけで利用できるのが売りで、プロ向けシステムより圧倒的に安く、ユースチームなどでも導入できる。日本だけでなく、ユースチームの多い欧米での販売を見込んでいるという。

 デバイスにはGPSとWi-Fiが内蔵され、試合中は通信をせずGPSロギングのみを動かし、試合後にデータが直接クラウドサーバーにアップロードされて可視化される。データはスマートフォンやパソコンのブラウザから見る形式となっている。

 現在は開発中で、量産前の試作機が完成し、実機を元に調整を行なっている段階だという。昨年夏にクラウドファンディングサイトMakuakeで行なわれたキャンペーンも成功し、今年6月末ごろの発売を目指しているという。

Orphe

 OrpheはセンサーとLEDを内蔵し、踊りなどの動きに合わせて光らせたり、Bluetooth接続するスマートフォンなどで音を出したりできる、ダンスパフォーマンス向けのシューズ。

 こちらは昨年5月にIndiegogoでクラウドファンディングキャンペーンを達成し、出資者には今春より提供される予定。現在は330ドルで1足を購入でき、こちらは今年5月出荷予定となっている。

白根 雅彦