【2013 INTERNATIONAL CES】

ZTE、フルHDディスプレイ搭載で6.9mmの「Grand S」を発表

 8日(現地時間)、ZTEはプレスカンファレンスを開催し、フルHDディスプレイを搭載したスマートフォン「Grand S」を発表した。第一四半期に中国市場で発売され、北米、欧州などへの展開も視野に入ったフラッグシップモデルだ。

フルHDディスプレイを搭載したフラッグシップモデル「Grand S」

 会見にはZTEのMobile Device Division(端末部門)、CTOのKan Yulun氏が登壇。「昨年第3四半期の調査によると、ZTEは世界第4位のスマートフォンメーカーになった」と述べ、同社がLTEの技術に優れていることを語った。ZTEはハイエンドのスマートフォンとして、Grandシリーズを展開している。こうした端末についてもYulun氏から言及があり、ハイスペック端末の「Grand X」や、TDD、FDD両方のLTEに対応している「Grand Era」などが簡単に紹介された。

クアッドコアCPUを搭載しながら、ボディは6.9mmと非常にスリム

 「Grand S」の端末そのものは、デザインを担当するZTEのGlobal Chief Design Director、Hagen Fendler氏が解説した。中国のメーカーらしく、同社の端末は「親」「新」「簡」「思」という4つの漢字で表すことができるコンセプトに基づき、デザインされている。「親」には使い勝手、「新」には革新性、「簡」にはシンプルさ、「思」には環境にやさしいといった意味がこめられている。

ZTEのCTO、Kan Yulun氏が同社の現状を解説
デザインや機能を語ったHagen Fenlder氏
中国メーカーらしく、4つの漢字に基づいたデザインコンセプトを打ち出している
Grand Sのデザインコンセプトは「Digital Pool」。緊張感や、人間の持つ優しさなどが表現されている

 その上で「Grand S」のデザインには、人間的で柔らかな曲線や、精緻さなどを持たせている。また、カラーや質感は、中国の伝統的な色彩に着想を得ており、背面がカラフルなのも特徴だ。

Grand Sのデザインコンセプトは「Digital Pool」。緊張感や、人間の持つ優しさなどが表現されている
カラーには、中国の伝統的な色彩が取り入れられている。カラーバリエーションも魅力だ

 「もっともパワフルなスマートフォン」とFendler氏が述べているように「Grand S」はデザインだけではなく、機能も充実している。ディスプレイは5インチ、フルHD(1920×1080)で、ピクセル密度は443ppiとなる。「クアッドコアCPUを搭載しているのに、とても薄い」(Fendler氏)というように、厚さはわずか6.9mm。「Dloby Mobile 3+」に対応し、臨場感あふれる音楽も楽しめる。ソフトウェアでユニークなのが、社内で使う専用のユーザーインターフェイスを備えているところだ。このモードでは、音声による操作も可能だという。

フルHDディスプレイや、13メガカメラなど、高い機能を備える

 主なスペックは、次のとおり。CPUがクアッドコアの「Snapdragon S4 Pro」で、クロック数は1.5GHz(4コア動作時)。LTEは下り最大100Mbpsに対応する。OSはAndroid 4.1で、RAMは2GB、ROMは16GB。microSDにも対応する。サイズは142×69×6.9mm。

 なお、中国以外での投入時期は「現在キャリアと協議しているところ」(Yulun氏)で、価格もキャリアによって異なる。日本での発売については「決まったことはなく、キャリアとも協議はするが非常に難しい」(Yulun氏)とのこと。Yulun氏は取材に対し、「日本は特殊なマーケットで、防水機能がどうしても必要になる。そうなるとGrand Sの特徴である薄さをキープできない」とコメントした。

石野 純也