ニュース

エプソン、視界上に画面を表示する業務用のメガネ型ディスプレイ

 エプソンは、業務用途向けのメガネ型ディスプレイ端末「MOVERIO PRO BT-2000」(モベリオ プロ)を9月より販売開始する。メガネのように着用し、透明なディスプレイ上に画面を表示する製品で、遠隔地での保守業務や工場や倉庫などでの利用を想定している。オープン価格となっており、同社オンラインショップでは38万8800円(税込)での販売を予定している。

MOVERIO PRO BT-2000
利用時の視野イメージ

 エプソンでは消費者向けにメガネ型のディスプレイ端末「BT-200」を以前から提供している。今回の「BT-2000」は、「BT-200」の技術をベースとして、透明ディスプレイを採用し、業務用途に対応させた製品。

 ディスプレイが透明なため、視界を遮らず、作業ガイドなどの情報を視界に上乗せして表示させて作業効率の向上を図れる。操作は付属のコントローラーや音声コマンドなどを利用して行う。カメラや高精度の行動ログセンサーを搭載しており、作業者の行動ログの取得などにも利用可能。

 同社は、利用モデルとして、保守業務において、カメラによって遠隔地のリアルタイムでオペレーションを行う、工場での作業で、作業対象に重ね合わせて作業手順を表示できるマニュアルや、倉庫での適切な移動経路をガイド表示するといった利用用途を提案している。

 「MOVERIO PRO BT-2000」は、両眼シースルー構造のディスプレイを採用し、QHD解像度相当(960×540)の表示が可能。カメラは約500万画素、サイドバイサイド方式での3D映像の撮影に対応。IP54準拠の防水防塵対応、照度センサー、加速度センサー、慣性計測センサー、GPS、地磁気センサーなどを搭載。

 ヘッドセットのサイズは205×136×100mm、重さは約290g。コントローラー部は70×157×35.3mmで、重さは約265g(バッテリー除く)。ディスプレイは跳ね上げ式で、映像を見ないときは視野を確保することができる。

 ネットワークでは2.4GHz/5GHzのWi-Fiに対応。OSはAndroid 4.0.4を搭載。同製品用の開発キット(SDK)が提供される予定。

 エプソンでは同製品の販売計画を、今後3年で1万台としている。6月24日~26日に東京ビッグサイトにて開催される展示会「3D&バーチャルリアリティ展」の同社ブースで、「BT-2000」を体験することができる。

石井 徹