ニュース

サムスンとドコモ、スマホで更新できる電子看板を展開

 サムスン電子ジャパンは、スマートフォンの「GALAXY S 4」や「GALAXY Note II」などと連携でき、手軽に内容を更新できる法人向けの電子看板「店舗の力“AIR”」の販売を開始する。出荷開始は8月30日から。ディスプレイは当初のラインナップとして32インチと40インチの2種類を用意。ディスプレイの価格はオープン価格で、32型が15~6万円台、40型が20万円弱になる見込み。販売にあたっては、NTTドコモの法人事業部が連携する。

スマホから更新できる電子看板「店舗の力“AIR”」利用イメージ

 今回発売される「店舗の力“AIR”」は、店舗や施設などに設置される電子看板(デジタルサイネージ)。表示するコンテンツの更新は、従来のモデルではUSBメモリ経由で更新するなどしていたが、今回発売される「店舗の力“AIR”」は背面に小型の無線LANルーター(アイ・オー・データ機器製)を搭載。スマートフォン向けの専用アプリから画像をアップロードして表示できるようになっており、セールや急な予定変更の告知など、即時性の高いコンテンツをすぐに表示できるのが最大の特徴になっている。

 また、スマートフォン向けの専用アプリから画像を送信できるため、スマートフォン上で、手書きの看板を作成することも可能。写真と手書きの情報を組み合わせた看板を作成できるほか、タイムセールや追加の告知など、販売の現場で刻々と変わる情報を即座に反映できる。

 「店舗の力“AIR”」向けのアプリは、正式サポート機種として「GALAXY S 4」と「GALAXY Note II」が対応。「Galaxy S III」「Galaxy S IIIα」についてはAndroid 4.1のモデルが対応する予定。また、Android 4.1以降のAndroid端末を対象に、サポートされる機種が拡充される見込み。

店舗での利用イメージ。中央のディスプレイはスマートフォンの画面そのもの。右のイーゼルスタンドに乗っているのが電子看板「店舗の力“AIR”」
スマートフォン側で手書き機能などを使って画像を加工
時間帯限定の告知をスマートフォンで作成(中央)
専用アプリで画像を読み込み、無線LAN経由で送信すると……
右の電子看板「店舗の力“AIR”」に先ほど作成した画像が表示された
現在なら手書きの黒板で表示しているような内容が電子看板で行える
施設案内の表示例
不動産情報
特売情報、手書きで急な変更にも対応
テンプレートを利用した施設予約の案内。テンプレート側の情報を修正すれば内容を変更できる
ディスプレイ背面には無線LANルーターを備え、スマートフォンと接続できる

日本の“現場の強さ”に応える電子看板

 8月1日に開催された発表会では、サムスン電子ジャパン 端末事業本部 営業チーム 部長の三輪知徳氏が挨拶し、スマートフォンから直接コンテンツを更新できる国内で初めての商品で、日本市場向けの商品であることを紹介した。また、ドコモと連携して法人需要を開拓することについて、「チャネルを全国に持っており、これ以上のパートナーはない」と期待を語った。

 ドコモからは、法人事業部 第二法人営業部 パートナー営業推進 担当部長の下條裕之氏が登壇し、「店舗の力“AIR”」について、「分かりやすく、いろんな分野の顧客におすすめできる。操作の簡単さなどを考えると、新しい分野、いままで使われてこなかった分野での利用も考えられる。(GALAXYなどの)スマートフォンの販売とは違う分野だが、法人市場の拡大を一緒にやっていきたい」と、積極的に展開していく姿勢を明らかにした。

サムスン電子ジャパン 端末事業本部 営業チーム 部長の三輪知徳氏
NTTドコモ 法人事業部 第二法人営業部 パートナー営業推進 担当部長の下條裕之氏

 「店舗の力“AIR”」の具体的な特徴は、サムスン電子ジャパン ディスプレイ事業グループ 部長の宮田隆氏から解説された。宮田氏は“デジタルサイネージ”として広まった電子看板はアメリカ生まれの商品で、IT化や人件費削減、本社からの一括管理といった発想が根底にあると指摘。日本では「現場で(内容を)変えたい」と言われるという。大規模なチェーンを展開する企業であっても、現場の裁量で看板の掛け替えが行えるなど「日本市場ならではの現場の強さがある。現場を尊重している日本の独自性」とし、今回の商品のコンセプトが「日本の強い現場のための電子看板」であるとした。

 宮田氏からは、スマートフォンのカメラ機能を利用して写真と手書きの情報を組み合わせたコンテンツを簡単に作れる点や、時間帯や天候などに合わせて簡単に内容を変更できる点、テンプレートのサービスを利用することで複雑な告知も簡単に利用できる様子などが、デモンストレーションを交えて紹介された。

サムスン電子ジャパン ディスプレイ事業グループ 部長の宮田隆氏

太田 亮三