ライトポイントが日本法人を設立、無線機器の測定器を販売


米ライトポイント 会長兼CEOのベニー・マドセン氏

 無線LAN機器の量産試験用測定器で高いシェアを持つ米ライトポイントは、2010年4月に日本法人のライトポイント・ジャパンを設立し、9月29日より事業を開始した。これにあわせて米ライトポイントの会長兼CEOのベニー・マドセン氏らが来日、日本法人の代表取締役社長を務める佐藤隆氏も同席し、記者向けの説明会が開催された。

 マドセン氏は、「現在の電子機器は単一の企業によって開発されるものではなく、たくさんの企業が関係して開発されている。チップメーカー、製造メーカー、ブランドの3つのプレイヤーに対して、総合的なテストソリューションを供給できるのが当社の強み」と語る。

 同社では技術開発、とりわけテストにかかる時間の短縮に力を入れている。同氏によれば、3年前に90秒かかっていたWi-Fiのテストが現在では3秒で行えるようになったという。同社セールス担当シニア・バイスプレジデントのルク・シュープス氏は「デバイスの複雑化に伴い、テスト費用はコストの5~10%を占めるようになっている」と語り、効率的なテストソリューションの導入により大幅にコストを削減できる見込みがあることを説明した。

 佐藤氏は、「これまでも村田製作所などの日本の企業に対しテストソリューションを供給してきたが、東京に日本法人を設立することで、いつでも顧客のところにかけつけることができるようになる」と日本法人設立の意義を強調した。

米ライトポイント セールス担当シニア・バイスプレジデントのルク・シュープス氏ライトポイント・ジャパン 代表取締役社長の佐藤隆氏

 同社では、2Gや3Gに加え、LTEに対応した携帯端末テストシステム「IQxstream」と、Wi-Fi、Bluetooth、GPS、FMラジオ、WiMAX、NFCの6規格に対応した「IQ2010」を日本向けに供給していく。前者については主に携帯端末メーカーやデータカードメーカーを、後者については主にモジュールメーカー、マルチ無線デバイスメーカー、スマートフォンメーカーをターゲットにしている。価格はそれぞれ850万円(LTE、2x1 MIMO対応モデル)、650万円(Wi-Fi、Bluetooth、FMラジオ、GPS対応モデル)となっている。

IQxstreamIQ2010

 マドセン氏によれば、同社の測定器はすべてソフトウェアで設定できるようになっているため、ワンセグなどの日本独自の規格にも対応できるという。同氏はこれについて「現在のニースだけでなく、将来のニーズにも応えられる」と表現している。

(湯野 康隆)

2010/9/30 06:00