OESF、組込み向けAndroidを一般公開開始


 Androidの組込みシステムへの普及・開発を促進する団体、一般社団法人Open Embedded Software Foundation(OESF)は、会員各社で開発を進めていた組込みシステム向けAndroid(Embedded Master)を一般向けに公開した。

 OESFでは、会員各社で共同開発を行った組込みシステム向けに拡張したAndroidを順次公開していく予定だ。今回公開するEmbedded Masterは、Android 1.6をベースとし、ARMプロセッサに対応したバージョンとなる。今回のリリースでは以下の拡張を実装した。

・IP Phone Extension
・BlueTooth Extension(Bluetooth拡張対応、HID・SPP・OBEX機能等)
・Remote Control Extension(赤外線・Bluetoothリモコンでの操作)
・Pointing Device Extension(マウスやポインタ・カーソル対応)
・User Interface Extension(大画面向けのGUI作成APIなど)

Embedded Masterのアーキテクチャ図。Androidのフレームワークを継承し、組込みシステムに必要な各種機能を追加実装する

 なお、ライセンスについては可能な限りAndroidと同様なApache 2.0でのライセンスを目指すが、GPLやLGPLなどのライセンスが含まれる場合もあるという。また、商用目的の利用については、提供各社からの商用ライセンスを必要とするモジュールも含まれるため、ライセンスについては、各ソースコードツリーに含まれるライセンス条件の記載を参照してほしいとしている。

 OESFは2009年2月に発足。発足から1年で参加団体数は65団体を超えた。OESFでは今後、対応プロセッサや共同開発している各種機能を、会員でのテストが完了しだい、順次公開していく予定。Android2.1への対応は6月下旬の公開を見込んでいる。アプリケーション開発用SDK(SDK for Embedded Devices)も今後リリースを予定している。

(工藤 ひろえ)

2010/3/11 06:00