カメラ+モバイル通信でなりすましを防止する「ALC-LOCK」


アルコール・インターロック装置の使用イメージ

 東海電子株式会社は、呼気からアルコールが検知された場合、エンジンがかからないアルコール・インターロック製品に、新たにカメラ+通信機能をラインナップに追加した。これにより、助手席の人間が代わりにアルコールチェックをするなど、運転前後のなりすましの確認が可能になる。

 アルコール・インターロック装置は、アルコールを検出するとエンジンをかけることができなくする装置で、東海電子の製品は呼気中のアルコールを検知するセンサーを用いる。ただし、こうした呼気からアルコールを検出するアルコール・インターロック装置ではこれまで、助手席の人間が代わりに呼気チェックをするなど、「なりすましができてしまったら意味がない」と指摘されていた。

 こうしたなりすまし防止のため、東海電子では、アルコール・インターロックシステムにカメラとGPS位置情報を内蔵するKDDIの通信モジュールを利用して本人確認を可能とするシステムを開発したもの。

カメラ+モバイル通信を用いたなりすまし防止システム。GPS位置情報を内蔵するKDDI製の通信モジュールが採用されている

 新しく開発したカメラ+モバイル通信付きのタイプでは、エンジンをかける前にカメラに向かってアルコールチェックを行ない、呼気のチェックを行った際に、自動的にカメラのシャッターを切る。また、運転中もランダムに自動でシャッターを切る仕組みになっており、呼気チェックを行っていない人が運転を交代していないかも合わせて確認できる。

 東海電子では、主にトラックやバスなどの運輸業界向けに、「飲酒運転検挙者」へのアルコール・インターロックの強制装着が実現するよう、機能やシステムの充実を目指していくとしている。

 価格は個別見積もりとなるが、基本の「法人向けアルコールインターロック ALC-LOCK for business Use」のセットが13万4400円。今回開発したカメラ+モバイル通信は、別途見積もりとなる。また、初期費用としてインターロックの取り付け費やセットアップ費などが別途必要となる。

(工藤 ひろえ)

2009/10/26 06:00