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時の経つのは早い。来年還暦を迎える我が身にはことのほか早く感じる。ブブゼラも蝉時雨もはるか彼方。あっという間に秋が過ぎ、もう師走だ。
師走といえば、第九。「第九を歌おう」というサイトによれば、この12月には第九のコンサート等がプロ・アマ含めて、全国で少なくとも51件、ピークの26日(日)には1日で7件の予定されている。まさに第九の季節到来だ。
しかし、海外でも12月は第九の季節なのだろうか。そこで、YouTubeの第九を300件ほどチェックしてみた。
300件中、合唱付き第九公演で公演月の分かるものは1割程度と少ないが、日本ではやはり12月が突出して富士山型となっているに対し、海外では特定月に集中しておらず、敢えて言えば9月・12月の双峰を持つ二上・筑波山型だろうか。
YouTubeで「ベートーベン 歓喜の歌」と「Beethoven Ode to Joy」により検索。前者130件中再生回数の多い上位100件と後者6000件中上位200件、計300件の投稿ビデオから、合唱付きの第九の映像で公演が行われた月が分かるものを拾った(投稿時期と公演時期とは必ずしも一致しない) |
ところで、300件の投稿ビデオを見て気づいたことだが、日本と海外では興味深い差異があるのだ。日本では、プロから普通の市民、大学生、小・中・高校生、幼稚園生まで実にさまざまなグループが、とにかく大合唱している。人間だけでなく、長ネギを持った2頭身半の初音ミク(「はちゅねミク」というらしい)や、オランダ生まれ日本育ちのアニメのチベット僧(「ディレイラマ」というらしい)も唱っている。犬や猫もワンニャンのコーラスだ。
ところが、海外(主に米国)では、合唱よりも合奏で、人気番組マペットショーの哀れな実験助手ビーカーをはじめとして、弾いたり吹いたり演奏するビデオが目に付いた。どうも第九=合唱なのは日本くらいなのかもしれない。
ここで、勘のよい読者は、クレジットカードの番号のような本稿のタイトルが何を意味するか、ひらめいたのではないか。そう、ケータイである。番号キーをこの順で打つとあの第九の主旋律が奏でられる。海外ではこの演奏ビデオが結構多く投稿されている。もちろん、最近では、スマートフォン画面上のソフトキーをタッチして演奏したり、アプリのピアノにより演奏したりと、ケータイの進展に従って投稿の方も進化してきている。手近にあるものは、とにかく鳴らしてみないと気がすまないのかもしれない。
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2010/12/1 15:16