本日の一品

淑女のためのエレガントなモバイルバッテリー「Pearl」

 近い将来、スマートフォンは老若男女を問わず、全日本人の必携アイテムとなろうとしている。しかし、理想のスマホと現実のテクノロジーのギャップはモバイルパソコンの時代と同じく、バッテリー駆動時間にそのしわ寄せが来てしまっているのが現実だ。

淑女向け(?)なコンパクトミラー型モバイルバッテリー「Pearl」

 多種多様な道具で使ってしていた作業をすべてスマホで解決しようとすれば、今一番必要なのは、どこでもスマホを充電できるモバイルバッテリーなのかもしれない。それゆえ、既に世界中の会社から膨大な数の多様なモバイルバッテリーが発売されている。

一見豪華なパッケージは、中国的なおおらかな作りのようにも感じる

 本来はユニセックス系デザインを目指すべきモバイルバッテリーも、その大多数は明らかに男性向きのインダストリアルデザインであると感じることが多い。昨今やっと女性向けと思える、リップススティック型やファッションブランド品のコンパクトの形を模したモバイルバッテリーなどが登場してきた。

同梱物は、Pearl本体、三叉ケーブル、ポシェットの3つ。変態的なケーブルが群を抜いて浮いている

 今回ご紹介する“コンパクトミラー型モバイルバッテリー”の「Pearl」(パール)も明らかに女性をターゲットとした商品の1つだろう。かなり大袈裟なパッケージを開くと、濃い茶色のポシェットとゴールドに輝くPearl(モバイルバッテリー本体)、マルチポートの白い充電ケーブルが出てくる。

 コンパクトミラーは、開いた時に正面位置に配置された等倍の常用ミラーと、天井を写す位置にある3倍拡大ミラーの2つを備える。バッテリー容量は3000mAh、出力は5V 2.1Aなので、ハイエンドクラスのスマホでもたっぷり一回分、iPadなどの大型タブレット系も充電可能だ。そして重さは約119g。

 コンパクト本体の側面には、電源オン・オフのためのボタンスイッチ、バッテリー残量や充電ステータスを判読するための4つのLEDと、本体充電及びスマホへの給電のためUSBポートとmicroUSBポートの2つが配置されている。

側面にあるUSB-AポートとmicroUSBポート
スクエアな電源スイッチとその横に並ぶLEDインジケーター
底面にはPearlのブランドロゴが印刷されている
頻繁に開閉するヒンジ部分の最大開閉角は135度だ

 クルマの中などの暗い場所でもミラーに映ったモノを見やすくするために、電源オン・オフ・スイッチをダブルクリックすることで、3倍サイズの拡大ミラーの周囲がLEDライトとして明るく点灯する照明機能を備えている。鏡を見る時だけではなく、真っ暗なカバンの中で探しものをするときにも、カバンの中に入れたPearlを閉じたまま、懐中電灯の代わりとして十分に使える明るさだ。

電源スイッチを二度押しすると3倍拡大ミラーの周囲のLEDライトが点灯する
LEDライトはコンパクトを閉じたままでも動作するので、バッグ内のライトとしても活用できるだろう

 いろいろな観点から見ると、現在、発売されている女性向け商品の中では、及第点に届きそうなPearlではあるが、今回のパッケージに付属するスマホの充電ケーブルは改善の余地があるように感じる。

 昨今のスマホユーザーの女性がどう考えるかはほとんど想像できないが、このmicroUSB、Lightning、Dockコネクターが一体化した三叉ケーブルは、秋葉原の裏通りのパーツショップをイメージしてしまうマニアックなものだ。どう贔屓目で見ても、ケーブルだけがデザイン的に浮いてしまっている。

この三叉ケーブルがどうしても気になってしまう
本体付属の三叉ケーブル(左)と筆者が秋葉原裏ストリートで買った五叉ケーブル(右)。どちらも淑女の持ち物には見えない

 また、Pearlと充電ケーブルを収納して持ち運ぶためのポシェットが付属しているが、ぼんやりと見ていると、リチウムイオン充電池内蔵の電気カイロのようにも見えてしまう。

携帯時のスタイルだが、冬場にお世話になる電気カイロのようにも見える

 Pearlを使用して、実際に筆者のiPhone 6 Plusに充電してみた。2つは標準付属品のケーブル。もう一つは携帯に便利なライター型の自称スマートな収納が自慢のリトラクタブルケーブル。最後は多少製造コストのかかった本革製のショートケーブル。

左が付属のケーブル、中央がリトラクタブルケーブル、右が本革製のケーブル

 最終的に分かったことは、付属の三叉ケーブルも含め、いずれもがミスマッチということだった。無理矢理、女性目線に立って見るなら、やはりここは、上に乗っけるだけでワイヤレス充電可能な「Qi」(チー)規格対応の次世代Smart Pearlの登場を待ちたいところだ。

このスタイルではケーブルレスの充電方式が似合うだろうという結論に至った

 筆者が購入したPearlは当面、同居人が「SAMURAI 極」と一緒に携帯して使うそうだが、ケーブルはシンプルな白い10cmくらいのショートケーブルを使うそうだ。女性スマホユーザーに気に入って使ってもらうには、まだまだ越えなければならないハードルがいろいろありそうだ。

同居人は「SAMURAI 極」と白いショートケーブルで使ってみることになったが……
製品名販売元購入価格
Pearl コンパクトミラー型モバイルバッテリーHYPER by Sanho Corporation4280円

ゼロ・ハリ