本日の一品

デュアル接続でトイレ・お風呂スマホがはかどる無線LAN中継機

 ワンルームから住み始め、2DKのマンションに引っ越し、さらに2階建ての一軒家へ、というように住居をアップグレードしていくと、そのたびに無線LANの電波が相対的に弱まり、家が広くなって生活は快適になったはずが、ネットがつながりにくくかえって不便になる、という現象に悩まされていた。これがいわゆる「ワークライフバランス」ならぬ「Wi-Fiライフバランス」の不均衡というやつかもしれない。

バッファローの無線LAN中継機「WEX-733DHP」

 壁などの障害物に遮られたり、単純に無線LANルーターからの距離が遠くなることで、電波が減衰し通信速度が遅くなったりすることで接続が不安定になるこの問題、我が家が2階建てになったことで主にトイレスマホやお風呂スマホの際に顕著に表れることになった。このままでは健全なネット生活に支障をきたしかねない! というわけで、解決のため最新の無線LAN中継機を導入してみた。製品はバッファローの「WEX-733DHP」だ。

 無線LAN中継機はすでに多くのメーカーから発売されているが、「WEX-733DHP」の特徴は、IEEE 802.11ac対応で、理論上最大433Mbpsの高速通信が可能なこと。また、2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドで同時接続できること。このうち後者のデュアルバンド接続が一番のキモとなる。

そのままコンセントに差し込むだけで使える
戸を閉めているとつながりにくくなるので開けっ放しで用を足しながらトイレスマホ。臭くはないはず

 例えば2.4GHz帯しか対応していない中継機だと、その帯域を無線LANルーターと中継機間、中継機と端末(PC、スマホなど)間とで半分ずつ使うことになってしまい、実質的な転送速度が半減してしまう。ところがデュアルバンド接続だと、無線LANルーターと中継機間を2.4GHz帯で、中継機と端末間を5GHz帯で、というように異なる帯域で通信するため、転送速度は各帯域の上限まで使えるというわけ。

 速度は重要だが、やはり一番大切なのは家の隅々まで電波が届いて安定してネットにアクセスできるかどうか。我が家では2階の建物中央あたりに無線LANルーターを置いており、天井に近い高さに設置しているせいか、1階には電波が届きにくい状況。プライベートなリラックスタイムを満喫できるトイレとお風呂は特に不安定で、トイレの戸を開けて最大限電波を取り入れながら用を足したりもするのだが、家族には大いに不評である。

WPSで簡単に接続するには、正面の丸いボタンを長押ししてから
無線LANルーターのWPSボタンを押す。しばらくすると自動的に接続設定が完了する
その後、実際に設置したい場所に移動する。我が家では階段下に設けた専用スペースに置くことにした

 そんなこんなで、WEX-733DHPをいったん無線LANルーター近くのコンセントに差し、WPSボタンをポチッっとしてから、無線LANルーターのWPSボタンもポチッと押し、待つこと数分。すぐに接続設定が完了したので、こういう事態を想定して家を建てる時にあらかじめ1階に設けてあった中継機用スペースのコンセントに装着。この状態で中継機なしの時と比べどれくらい電波状況が改善されるのか、確かめてみた。

 使用したのはMacOS X用の無線LAN電波チェックアプリ「WiFi Explorer」。木造2階建てロフト付き、1フロア40平米弱の宅内の各所で、無線LANルーターのみ使用時と中継機導入時とで2.4GHz帯と5GHz帯の電波の強さをまとめている。

電波計測中……っ!

 やはり中継機を導入したことで、1階での電波状況が大幅に改善された。2階やロフトについては無線LANルーター1台でまかなえるレベルだが、1階は中継機を設置することでようやく実用レベルになる印象。トイレは日常使用している5GHz帯が改善し、戸を閉め切ったままでもほぼ安定して通信できるようになった。もう家族に迷惑をかけることはないはずだ。

自宅における電波強度計測結果

 お風呂での電波強度は2.4GHz帯で圧倒的に向上。5GHz帯はやや不安定なままだが、2.4GHz帯で使う限りは快適そのものだ。SSIDが無線LANルーターと中継機とで同じになるため、実際にどちらに接続されるかは分からないのだが、実感としては間違いなく中継機を導入した後の方が家のどこでもつながりやすい。1階和室には無線LAN対応のプリンター複合機を置いているし、玄関土間のサイクルトレーナーで音楽や動画を見ながらトレーニングもしたいし、もう中継機のない生活は考えられないほどである。

中継機を設置するとこのように既存のSSIDが2.4GHz/5GHz帯それぞれ2つずつ表示される
側面にあるスイッチで無線LANルーターと中継機間の接続帯域を切り替えられる

 ちなみに、本製品の説明書にも記載されているのだが、おすすめの設定は無線LANルーターと中継機間を2.4GHzで、中継機と端末間を5GHz帯で接続すること。こうすることで障害物の影響をできるだけ減らしながら無線LANルーターと中継機が通信し、さらに端末は高速な5GHz帯で中継機と通信する。もちろん環境や端末の仕様によって適切な設定は変わってくるが、いずれにしても、中継機によって「Wi-Fiライフバランス」はいい感じに釣り合いが取れるようになるはずだ。

製品名販売元参考価格
AirStation HighPower WEX-733DHPバッファロー7538円

日沼諭史