本日の一品
「なんちゃって初代iPad」なドローイングボード
(2016/1/25 06:00)
筆者宅では2010年発売の初代iPadが、「ラジオ体操アプリ」再生専用マシンとしてまだまだ現役で活躍している。そんな初代iPadをモチーフに、最大限のオマージュを捧げたような商品をゲットした。
その名は「Drawing Board」(ドローイングボード)。現在の最新機種である“iPad Pro”の登場を予測していたかのようなネーミングだ。
ICT世界のこの四半世紀を眺めてみても、人間という動物は、テクノロジーがどれだけ進んでも、“手書き”を決して捨てられない動物らしい。その昔、筆者も「SPARK TAB」いう名前のジャストiPhoneサイズの手書きボードを作ったことがあった。日本にも古くからある縁日の屋台などで売られていた玩具の発想だ。
そんな手描きの良さに少しだけテクノロジーを導入させた形で作り上げたのが今回ご紹介する“磁気式メモボード”というジャンルの商品だ。発話障害のある人などが安価で有効な会話手段として使用されることも多い商品で、キングジムの電子メモ帳「Boogie Board」なども広義にはこのジャンルに属する。
狭義の磁気式メモボードは、直径3mmほどの六角形のセルが多数集まった薄いボードの内部に磁化された細密な金属片を含んだ乳液を封入した物だ。そのパネルの上から、芯先が磁化されたペンを使用して文字を書くことで、セルの中の表面近くに吸着された細かな磁気片が筆跡となって見える仕組みだ。
実際にドローイングボードの表面近くに磁気ペンの力で吸着された細かな磁気破片を超接写撮影で見てみると、時間とともにけっこうの量の磁気破片が六角形のセルの中で底に落ちていくのが見える。
このドローイングボード、磁気式ボードの性能としてはあまり上等とは思えないところが少し残念だ。何よりのウリは、その外観のなんちゃって初代iPadだということかもしれない。初代iPadより進んでいるのは、iPad Proでやっと実現した筆記ペンを標準で搭載していることだろう。
この手の商品には必須の機能だが、背面右側には縦にスライドさせる画面消去バー(クリーナー)がある。このクリーナーは、ペン先と同じく永久磁石が使用されており、六角形のセルが並んだパネルの裏側から、ペン先の磁力でパネルの表面に移動した磁気破片を引き落とす役割を担っている。筆記した文字や絵をクリアしたいときは、このクリーナーを、どちらかに一回スライドすることで綺麗に消去することが出来る。
ドローイングボードは解像度は低いが、とっさの書き込みには些細だが威力を発揮するかもしれない。必要なら、スマホのカメラ機能で撮影してクラウド保存や共有も可能だろう。磁気式メモボードとしての性能はイマイチかも知れないが、初代iPadのオマージュ商品であり、ペンシルコンセプトの先取りマインドや周囲のウケ狙いアイテムとして有効だ。タブレット愛好家なら、ラインナップの一つとして揃えておいても損はないだろう。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
タブレット型ドローイングボード | 友愛玩具 | 1080円(税込) |