本日の一品
マグネットなし! シューズにも装着可能なケイデンスセンサー
(2015/5/27 06:00)
今回紹介する「Wahoo Fitness RPM ケイデンスセンサー」は、その名の通り自転車のケイデンス(1分間あたりのクランクの回転数)を計測するセンサー。自転車周辺機器でよく採用されている無線通信規格「ANT+」だけでなく「Bluetooth SMART」にも対応している。
そのため、サイコン(サイクルコンピュータ)だけでなく、スマートフォンとも接続が可能だ。サイコンは持っているけれどスピードセンサーしか使っていないという人だけでなく、スマートフォンをサイコン化できるアプリを利用している人にも向いたアイテムといえる。
ケイデンスセンサーの多くは、2つのパーツに分かれており、クランクに取り付けたマグネットと、チェーンステーに装着したセンサーを用い、接近したマグネットの磁力を検出して回転数を算出する仕組みだ。一方、本製品の場合はマグネットは不要で、パーツは本体1つのみ。どんなセンサーを使用しているのか、米国の公式サイトには明記されていなかったが、マグネットを使わないとなると、おそらく加速度センサーが内蔵されていると思われる。
CR2032型の電池1個で駆動し、最長で約12カ月間連続で使用できるとのこと。水深1mに30分浸水させても影響を受けないとされるIPX7相当の防水性能を備え、雨の中でも安心して利用できるのもポイントだ。
取り付け箇所は、左側のクランク内側かシューズのどちらか。シューズに装着できる自転車用のセンサーというのは聞いたことがなく、とてもユニークだ。というわけで、まずはシューズに装着してみる。
シューズへの取り付け方法は簡単で、シューズ専用マウントをシューズのベルクロの底にセットしてから、本製品とベルクロをまとめて固定するだけ。スポーツ自転車向けに作られたシューズは、ベルクロでアッパーをホールドするタイプが多いので、この仕組みがネックになる人はそれほど多くないだろう。
一方、クランクへの固定方法は、専用マウントに本体を収納した状態で結束バンドを使うか、もしくは両面シールで接着するかを選べる。両面シールの接着力は強力で楽に固定できるが、雨に当たると接着力が低下しそうでちょっと心配。それでも試しに使ってみようと思ったのだが、筆者の自転車のクランクは凹凸があるため、両面シールでは貼り付けできなかった。
次に気になるのは、精度。別途、従来品のスピード・ケイデンスセンサー「Wahoo Blue SC」とサイコン「ストラーダスマート」(過去記事)を連携させ、それと同時に本製品をiPod touchとBluetoothで接続し、比較できるようにして走ってみた。
本製品を靴に装着した状態と、クランクに装着した状態で差が出るかどうかも気になったので、各3回ずつ、計6回同じ場所を11km程度走って比較したところ、データにはやや差が出た。なお、2つのアプリのスクリーンショットで平均速度が違うのは、2点理由がある。サイコン側は一時停止時間を含めていないが、iPod touchでは含めていること。また、Bluetooth機器を同時に複数使用した際にデータ通信になんらかの問題が発生したりしないよう、念のためiPod touchでGPSレシーバー(過去記事)を使わないようにしたので、位置情報が不正確になってしまったことが理由だ。
シューズに着けた場合と従来品とでは、データにやや差が出た。クランクに着けた場合は、従来品と差はほとんどないが、最高値がかなり大きめに計測されてしまっている。これは、信号の多い場所を走っていて、一時停止のため足をつく動作を頻繁に行ったことと、従来品のケイデンス計測用マグネットがクランクに装着されていることが影響しているのかもしれない。
ケイデンスとスピードセンサーが一体化した製品が主流となっている現状で、センサー単品にしては高価な本製品は、正直に言うとどれだけのニーズがあるかは疑問。ニッチすぎて、メーカーも実験的な意味合いで出しているのではないかと思ってしまう製品だが、使い勝手自体は良い。
加速度センサーとは別の仕組みが必要になるかもしれないが、本製品のように単体で動作するスピードセンサー版が登場すれば、がぜんセットで買いたくなってきそうだ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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Wahoo Fitness RPM ケイデンスセンサー | フォーカルポイント | 7020円 |