本日の一品

”意志未来”を掛け時計にした「WILL RETURN CLOCK」

 1950年代から現代まで……社長兼従業員1人だけのスモールオフィスやショップで、ちょっとそこまで出かける時や、ランチでしばらくオフィスを空けるときの定番商品がある。誰もが一度はどこかで見たことがあるだろう。小学校の授業で時間の勉強に使う教材のような、チープなプラスチック製の掛け看板だ。

海外土産で昔は人気のあったWILL RETURN パネルが掛け時計になった

 青、赤、黒、白の4色による独特なカラーリングがされており、それが何を意味しているのか、誰もが見ただけで理解できる歴史を超えた共通理解アイテムだ。

 ベーシック商品は、表側が「We are Open!」とかになっていて、ひっくり返すとこのスタイルの掛け時計が登場するモノが多い。オフィスの住人や店主が出かけて誰もいなくなる時に、ドアに掛かったこの札のようなプラスチック板を裏返して、おもむろに戻ってくるだいたいの予想時刻を設定して出かけるのだ。

 これは今で言うCRMの基本ツールであるとともに、ビジネスの機会損失を極小化する基本中の基本ツールだ。”WILL”は、設定者本人の意志である「~するつもり」という宣言だが、あくまで”つもり”であることが重要なのだ。

単3乾電池一本で駆動するWILL RETURN CLOCK
安価なクォーツ式掛け時計装置を流用した感じ

 そんな歴史あるビジネスツールを、掛け時計という同じく伝統的な商品と融合したインテリジェント・ガジェットが「WILL RETURN CLOCK」だ。発売元はこの手のジョーク系商品では既に世界的な老舗である”キッカーランド社”だ。

 WILL RETURN CLOCKは単3電池1本で、一般的な掛け時計として動作する。筆者が残念だと感じたのは”時計である”ということを強く主張したいのか、たまたま有り合わせのハードウエアを流用した為なのか、ちょこまかする黒い秒針が全体の雰囲気をダメにしてしまっていることだった。

掛け時計としては秒針が無くても問題なさそう

 出来ることなら秒針を引っ剥がして使いたい。そして、本来の”WILL RETURN”看板として使う時のために、裏返して単3電池を抜き取らなくても、電源を切ってしまう小さな隠しスイッチがあればより便利に使えるだろう。

 本来のジョークとしては……掛け時計として常に現在時間が進み、いつまでたっても”今帰ってくるつもり”だ!と言い張るジョークを楽しむべきものなのかもしれない。いずれにせよ秒針の存在は蛇足だろう。

玄関先では似合わない。やっぱりスモールオフィスかお店の扉に
製品名販売元購入価格
Wall Clock + Will ReturnKikkerland Design1944円

ゼロ・ハリ