本日の一品

最長飛行距離は2km! 本格的な空撮を楽しめる「Bebop Drone」で遊んでみた

 昨年からの勢いは止まらず、今年も競うように新製品がリリースされているマルチコプター市場。中でも筆者が注目しているのは、フランスのパロット社が発売した「Bebop Drone」だ。これまで「AR.Drone」を初めとする高性能なクアッドコプターを送り出してきた同社の新製品とあらば、気にならないわけはない! そんなわけで、さっそく実機を触ってみた。

「Bebop Drone」

 このたび発売されたのは、Bebop Drone本体のみの7万900円(税抜)のパッケージと、操縦用の「Skycontroller」が同梱された13万900円(税抜)のパッケージの2タイプ。筆者はもちろんコントローラー同梱セットをチョイスした。

セットには、Bebop Drone本体とSkycontroller、バッテリー×4に室内飛行用のバンパーなどが同梱。バッテリーはBebop DroneとSkycontrollerで共通の規格を採用している

 バッテリーは1時間程度で満充電となり、約11分の飛行が可能だ。最初のうちは、基本的な操作方法を確認しているだけであっという間にバッテリーが尽きてしまうはず。空撮をしながらそれなりに遊びたいのであれば、スペアのバッテリーも充電しておくのが賢明だろう。

 Bebop Droneは「FreeFlight3」という専用アプリをインストールしたスマホやタブレットでも操縦できる。端末を傾けるジャイロ操作を採用しており、写真やフルHD動画の撮影も可能。飛行距離は250mまでとなっている。

 一方、Skycontrollerを使えば最大飛行距離は2kmまで広がる。筆者も初めのうちはスマホだけで室内のフライトを楽しんでいたが、やはりこれでは物足りない。せっかくコントローラーもあることだし、さえぎるもののない広場で思いっきり飛ばしてみることにした。

機体とコントローラーの電源を入れ、スマホ(もしくはタブレット)経由でWi-Fi接続すると操縦が可能となる
屋外で飛ばす際には本体を旋回させて磁器センサーのキャリブレーションを行う必要がある
アプリでは、最大高度(上限150m)や最大斜度の設定を行える。慣れないうちは飛行速度を遅めに設定しておいたほうがいいだろう

 飛ばすまでの設定やキャリブレーションの手順は、同価格帯の他社製ドローンと比較するとかなりシンプル。マルチコプターやラジコンヘリの操縦経験がないユーザーでも、苦労なく設定できるだろう。それではさっそく、本体のカメラキャップを外し、録画しながら離陸してみよう!

 ごらんのとおり、離陸後、少し調子に乗って飛ばしていると機体は米粒のように小さくなってしまい肉眼では確認できなくなってしまった。それなりの距離を飛ばそうとしたらタブレットでカメラの映像を確認しながら操縦することになるが、映像の受信にもタイムラグがあるので注意が必要だ。ちなみに機体に備わっているカメラで撮影した空撮映像はこちら↓

タブレットのアプリ画面にはカメラの映像が映し出されるため、ドローンの視点を確認しながら操縦できる。本体とコントローラーのバッテリー残量も表示されており、電力が少なくなると知らせてくれる

 1400万画素の魚眼レンズカメラは伊達ではなく、映像の美しさは予想以上。ホワイトバランスなどの調整もアプリで設定可能だ。カメラの視界は上下左右に調整可能だが、操縦しながらスムーズにカメラワークをこなすには、相当な慣れが必要な印象を受けた(筆者にセンスがないだけかもしれないが……)。

カメラの角度調整や写真撮影はコントローラー右上のスティックで操作する

 ちなみにコントローラーを使わずにスマホやタブレットのみで操縦する場合は、画面のシャッターボタンを切って写真を撮影することになるが、これは至難の技。もし空撮をメインに楽しみたいのであれば、初めからコントローラーを使って操縦した方が安全だ。

ホバリングの安定感はさすがだ。ブレを抑えるショックアブソーバーの性能も高く、多少風にあおられてもカメラの視野角は安定して水平に保たれていた

 なおSkycontrollerには、ヘッドマウントディスプレイを接続することも可能なのだとか。一人称視点での操縦は楽しそうではあるが、映像受信のタイムラグなども考えると、肉眼で機体を確認しつつ補助的にカメラの映像を見る、という操作がベターだろう。ともあれ、この価格帯で本格的な空撮映像が撮影できるのは魅力的。他社製のドローンに比べて操縦も簡単なので、空撮初心者の入門機としてもオススメだ。

製品名販売元購入価格
Parrot BEBOP DRONE SKYCONTROLLERParrot14万1372円

菊池拓哉