本日の一品
ちっさ! SIMフリーの腕時計型のAndroid端末「ARES EC309」
(2014/10/21 06:00)
スマートウォッチが大好物の筆者だが、最近とてもユニークでわかりやすい製品に出会った。アレスのウェアラブル腕時計型スマートウォッチ「EC309」である。何がわかりやすいかというと、腕時計型のAndroid 4.0端末だからである。しかもmicroSIMカードスロットありの、カメラ付きときた。サンプル品をお借りできたので、早速試してみた次第である。
解像度240×240、1.54インチのタッチパネルディスプレイが採用されており、サイズは41.9×47.5×13.5mm、重さは72g。プラットフォームにAndorid 4.0を搭載し、GPSを内蔵。CPUはMediaTek MT6577 Dual-core 1.2GHz、RAM 512MB、ROM 4GB。バッテリーは500mAhとなっている。ネットワークはW-CDMA(850/1900/2100MHz)、 GSM(850/900/1800/1900MHz)。
右側面に200万画素のCMOSカメラ、左側面に電源(ホーム)ボタンと戻るボタンを装備。マイクとスピーカーも搭載されている。バンドの根元にmicroSIMカードスロットも備える。SIMはSMS対応のデータ専用SIMカードが利用できる。音声通信対応も使えるが、電話番号は使えないという。
太いゴムバンドで手首に装着すると、そこにミニチュアのAndroid 4.0の世界が。まさにスマートフォンならぬスマートウォッチ。そうきたかと思わず笑ってしまった。お借りしたのがサンプル品ということで、フェイスに時計は表示できなかったが、アプリのアイコンをタイル状に配置できるようになっていた。既視感のあるホーム画面である。長押しからのドラッグ&ドロップで配置の変更も可能。ホーム画面は縦スクロールで表示が変わり、横にフリックするとインストール済みのアプリの一覧が確認できた。画面の上には小さいながらも通知アイコンが並び、Google Playからアプリのダウンロードも可能。設定項目はまったく同じではないが、まごうとこなきAndroid端末であった。
メールもメッセージも写真も音楽も、すべて手首で操れる。メールが着信するとサウンドが鳴るのですぐわかる。文字は極小だが本文がフルに読めるのはもちろん、やろうと思えば返信もできる(かなりの忍耐力が必要だが)。テキストは長押しからのコピーやペーストにも対応。ブラウザでサイトだって見られる。050 plusやFacebookはあいにくのエラーで使えなかったが、LINEの通話に至っては問題なく利用できた。友達間の連絡なら、これだけで済ませることも不可能ではなさそうだ。
カメラは200万画素とひと頃のインカメラのような画質だが、ちゃんと撮影できるしシェアも可能。気になるとすれば、左手首に装着していると右側面にレンズが来るので、撮影時には手首の向きを意識しなくてはならないことや、手首に装着した状態で撮影しようとすると、どうしても手の甲が入り込んでしまうということくらい。カメラはスマートウォッチではまだ珍しいので、貴重な存在だ。
しかし、とにかくすべてが小さい。設定でフォントを特大まで上げても極小文字との格闘である。もうかっこいいとか悪いとかそういうレベルではなく、何か新手のチャレンジをしているような感覚を覚えた。
最大の難関は、あの画面で行う文字入力と、画面右上に表示されるメニューボタンのタップだ。Wi-FiやAPN設定をしなくてはならないが、極細のスタイラスペンがないととても1文字単位では入力できない。それを見越してか、文字入力はQWERTYキーボードのフリック式が採用されていた。キーが4つのゾーンに分けられており、触ると1文字ずつ選択できる仕組み。回を重ねるうちに入力自体はわりとスムーズにできるようになったが、間違えたときのバックスペースにはかなり苦労した。
お人形さん向けのタブレットができそうなくらいなので、利用者を選ぶし、手袋をしたら間違いなく操作できない。では全然ダメかというと、そんなネガティブな気持ちにはなれなかった。チャレンジ精神が刺激されて、これはこれで面白い。目は疲れるが「こんなに小さなAndroid端末がある」というだけでも手元においておきたくなるのだ。バッテリー持ちは概ね1日。単にメールを見たり情報を確認するだけなら、スマホも持たずこれ1つで1日過ごすことだって可能だ。
まさにスマートウォッチな「EC309」は、ぜひこのまま進化していただきたいと思えたのであった。
製品名 | 販売元 | 価格 |
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ARES EC309 | 株式会社アレス | 3万4800円 |