本日の一品
1本1000円のカランダッシュ「ペンシルNO,1」鉛筆を大人買い!
(2014/10/6 06:00)
筆記具に興味のある人なら一度は「カランダッシュ」という名前を聞いたことはあるだろう。ジュネーブに本拠を構えるスイス最大の筆記具メーカーだ。長い歴史を持つヨーロッパの筆記具メーカーの中では比較的歴史は浅く、計算上は来年には創業100年を迎えるようだ。
たいていの古い筆記具メーカーは、当然の様にその生い立ちは鉛筆製造業ではあるが、筆者的にはカランダッシュといえばボールペンが印象深く、家族で同社のエクリドールコレクションを愛用している。
伝統あるステーショナリー業界では、筆記具における新しいテクノロジーの開発や採用も重要なイベントであるが、時には歴史と伝統に根ざした信頼性やブランドパワーを顧客にリマインドしてもらうことも重要なイベントのひとつだ。
今回ご紹介するカランダッシュ社の「ペンシルNO,1」という商品は、世界初とか世界一とかが大好きなカランダッシュ社の鉛筆ブランドとしてのカンフル剤的商品だ。2010年にダイヤモンド満載の1本一億円の万年筆「1010 Diamonds」を発売した同社にしては、極めて遠慮がちな1本1000円の鉛筆だ。
税別3700円の「ペンシルNO,1」の瀟洒なパッケージには、スイスの『カランダッシュ』社とイタリアの木材会社『アルピ』社のコラボによる、希少な厳選木材を使用して丁寧に作り上げられた鉛筆がたった4本だけ入っている。
どうも当初から供給量は少なく、この手の商品の特徴でもあり、理想的なマーケティング結果でもある“多くのWEBショップでは売り切れ状態”を自然と実現している。筆者は、改装中の銀座伊東屋本店裏にある“K.ITOYA 1904”の店頭で発見し、脊髄反射的に速攻購入した。
4本の鉛筆は、それぞれ特徴ある木材から作られており、American Cedar (アメリカン シダー)、Lati Gris(ラティ グリ)、Blue Zebrano (ブルー ゼブラノ)、Gyana Palm (ギアナ パーム)を使用した究極の鉛筆(芯はHB)だ。
さて、実際にペンシルNO,1を持って使った印象はどうだろう。まず感じるのはたった鉛筆一本なのに、やけにドッシリとした重量感覚だ。気になってキッチン秤で重さを測ってみたら、ごく普通のステッドラー鉛筆の2倍の8gもあった。小さい頃から持ち慣れている鉛筆なら、2倍違うとよほど鈍感でも分ってしまうようだ。
続いて気になる書き味はどうだろうか?Webを探してみてもこのペンシルNO,1のために特別新しい芯を開発したという話は見えてこない。実際にポピュラーなステッドラー社のMars Lumographと書き比べてみたが、鉛筆ギークではない筆者にはそれほど大きな差は感じられなかった。
カランダッシュ社の「ペンシルNO,1」は、筆者にとっては、芯の違いによる筆記感覚の差よりも2倍の重さである利点のほうが大きく感じる商品だった。カランダッシュ社の「ペンシルNO,1」は、希少な木材を贅沢に使ったコレクターズアイテムだ。
パッケージされた個性あるたった4本の鉛筆は、贅沢な三菱鉛筆社製の”UNI”を満足気に使う学校の先生を羨ましく眺めた世代にとって、この上ない大人買いリベンジアイテムの最右翼商品かもしれない。
製品名 | 製造元 | 購入場所 | 購入価格 |
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ペンシルNO,1 | カランダッシュ | 銀座 “K.ITOYA 1904” | 3700円 |