本日の一品

出張先でも自宅でも 802.11ac対応のWi-Fiルーター

 先日めずらしく泊まりの出張があった。もちろんパソコンは持って行ったし、インターネットにつながないと仕事ができないのでインターネットにつながるホテルに宿泊したのだが、部屋には有線LANがひと口あるだけだった。筆者はMacBook Airを使っているので無線LANか、有線LANアダプターを用意しないとどこにもつなげられないのだった。もちろんそのことは事前にわかっていたのでUSB接続の有線LANアダプターは持って行くつもりでいた。今回はさらに、スマートフォンもつなぎたいと思い、Wi-Fiルーターを購入することに。

 各社から「ホテルルーター」などの名前でいろいろな機種が出ており迷ったのだが、今年1月に正式承認されたIEEE802.11acに対応したNECアクセステクニカの「PA-W500P」を購入した。

パッケージ表面。15cm四方ほどの小型のパッケージだ
パッケージ裏面

 選んだ理由は2つだ。まず、ケーブルの類が全て同梱されているということ。LANケーブルやmicoroUSBケーブルはそれぞれ持っているのだが、このWi-Fiルーター用の持ち出し袋を用意し、本体と常にセットにしておくことで、ケーブル類の持ち忘れを防ごうと考えたからだ。幸い、このルーターには布袋が同梱されていた。

内容物一覧。マニュアル類とは別に「Wi-Fi接続シート」が同梱されており、SSIDとWPAパスフレーズおよびQRコードが印刷されている(写真では本体で隠してある)
実際に部屋の有線LANポートに接続したところ。電源はACアダプタから取っている

 もう1つの理由は、このWi-Fiルーターを使えば自宅の無線LAN環境を5GHz化できるだろうと思ったからだ。ケータイ Watchの読者の方ならご存じだと思うが、無線LANでよく使われる2.4GHzの電波帯域は、Bluetooth対応機器などにも使われている上、電子レンジで使われる2.45GHzにも近く、さらに今ではそこら中に無線LAN機器があるため空きチャネルがないことも少なくない。実際筆者宅でも2.4GHz帯域は隣近所を含め30以上のアクセスポイントが見つかるほどだ。しかし5GHz帯なら、今のところ全く見当たらない。

筆者宅の2.4GHz Wi-Fiの電波状況。かなり混み合っている(クリックで拡大表示)
同じく5GHzの状況。ガラガラだ(クリックで拡大表示)

 出張先のホテルでは、そもそも有線LANの回線が混み合っているようで夜にはうまく接続できないこともあったのだが、パソコンとスマートフォンを部屋の中のどこでも使う事ができて快適だった。

 帰宅して自宅のダイヤルアップルーターに接続して5GHzモードでつないでみたところ、802.11acに対応しているスマートフォンでは転送速度が上がった。パソコンは802.11nでの接続になるからかさすがにダイヤルアップルーターに直接接続するよりは転送速度が落ちるようだ。そこで、今まで電波の届きにくかった場所にこのWi-Fiルーターを置いて使う事にした。

iPhone 5sでの転送レートを表にしてみた
Macの場合、Optionキーを押しながらメニューバー上のWi-Fiアイコンをクリックすると、現在の接続状態が詳細に表示される

 筆者はMacとiPhoneを利用しているので、ルーターとの接続はWPAのパスフレーズを入力し実行したが、WindowsやAndroidの場合は「らくらくスタートボタン」やQRコード、NFCを使った接続設定など、いろいろな方法が選べるようだ(iOS端末もQRコードによる設定は可能だが、専用のアプリが必要)。

 筆者宅では使う予定はないが、Wi-Fiの子機になるモードや公衆無線LANから有線LANに変換するモードなどもあって、持ち歩きでも自宅でも様々な使い方ができる。後々ダイヤルアップルーターを802.11ac対応のものに買い換えることになるだろうから、その時は子機になるモードを使って有線LANのみ対応の機器、例えばプリンターなどを家のネットワークに接続することもできるだろう。単なる「出張用ルーター」としてだけではなく、「つぶしの利くガジェット」としておすすめの一台だ。

製品名販売元購入価格
PA-W500PNECアクセステクニカ5800円

大木真一