本日の一品
遺失物探索”P2Pクラウド型サービス”「RuMeID」デカール
(2014/3/27 06:00)
大昔から米国では個人の愛用品であるキーホルダーや鞄、ケータイなどの紛失や置き忘れを見つけ出すために特定無線を利用したパーソナルなシステムが流行していた。数年前には、バーコードやQRコードを使用したサーバー型の遺失物発見サービスが登場し、日本国内市場にも紹介されたがそれほどの普及を見ないまま現在に至っている。
NFC技術がより低価格になった昨今は、遺失物発見サービスをSNSやスマートフォンと結びつけた“クラウド型サービス”が登場してきた。本日ご紹介するのは、そんな商品の中でもきわめて廉価版のサービスを実現したP2P型“Lost & Found”(忘れ物預かり所)をイメージしたサービス付きシール「RuMeID」(Re Use Me)だ。
筆者が入手したRuMeIDのパッケージには、ユニークなQRコードが印刷されたごく普通のデカールが3枚入っている。デカールはカメラやタブレット、モバイルPCやACアダプター等の失くしては困る自分の所有物に貼り付けるための目印だ。QRコードとクラウドサービスが紛失した持ち主と、遺失物を発見した拾い主を結びつけるという、きわめてシンプルなサービスだ。
過去の類似した多くの商品は、サービス事業者が持ち主と拾い主の間を取り持つ仲介サービスだったのに対して、RuMeIDのサービスは、クラウドを介した半分当事者同士のサービスであることが大きな特徴だ。
駅やデパートなどの“遺失物センター”の仲介方式とは異なり、部分的に個人と個人の関係になるので不安を感じるユーザーも多いかもしれないが、そこがコストダウンできた大きな理由の1つだろう。
実際のユーザー登録手続きもきわめて簡単だ。RuMeIDのデカール上のQRコードをスマホで読み取ると、RuMeIDのサービスクラウドに誘導される。Web上から、まずユーザー登録を行い、続いて持ち主の名前やメールアドレス、電話番号、住所等の任意のパーソナル情報を書き込む。記入処理が終了すれば、登録済みのデカールを自分の所有品であるタブレットなどの目立つ場所に貼り付けるだけだ。
複数のデカールを様々な持ち物に貼る場合でも、RuMeIDの番号別にデカールと所有物の紐付けはクラウドサービスで行うことができるのでデカールを買い増しても大丈夫だ。さて、それでは運悪く所有物のタブレットをどこかで失くしてしまった場合を想定してみよう。
偶然、その遺失物を発見した人は、自分のケータイなどで、デカール上のQRコードを読み取って、クラウドサービスに接続して持ち主によって登録されたメールアドレス宛に即座にコンタクトできるという仕組みだ。もちろん、持ち主のメールアドレス等の個人情報はマスクされていて、直接、発見者に見えることはない。
タブレットの拾得者が、クラウド上に拾得者の氏名、メールアドレス、拾得した場所等の付帯情報を書き込んで“Send”すれば、そのメールはクラウドを経由してオーナーに届く。基本的には遺失物の持ち主と拾い主の関係だ。持ち主は事前にサービス事業者に情報提供が行われており、拾得者は拾得したことを届けた時点で、氏名や住所等の任意の個人情報を提供する仕組みと同じだ。
遺失物が持ち主の手元に戻ってくる前のメールで、持ち主には、拾得者の記入したメールアドレスや氏名がわかってしまう点は少し釈然とはしないが、所有者と拾得者の両者間のやり取りを全てサービス会社がマスクをして仲介するより、一部ではあるがP2Pのクラウドサービス的オペレーションを行うほうがコスト的にはリーズナブルな仕組みとなるのも事実だろう。
個人情報に関するセキュリティには流行の“コスパ”という定義は存在しない、という人から、サービスに見合うセキュリティレベルで十分だ、という人まで様々だ。個人の尺度で選択可能なサービスがあることは良いことだろう。“RuMuID"デカールは3枚入って9ドル95セントだ。サービスに期限はなく、1枚あたり350円足らずで、大事な大事なタブレットやスマホ、デジカメが無事に戻ってくる可能性があれば、これは十分ユーザーメリットもあるサービスではないだろうか。
製品名 | 販売場所 | 価格 |
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RuMuIDデカール 3枚組 (クラウドサービス料込) | 米国RuMe社 Web直販サイト | 9ドル95セント |