本日の一品

カスタマイズしてこそ面白いスマートフォン「Nexus 5」

 11月1日、Google社より発表された最新リードデバイスの「Nexus 5」。11月1日の朝、Twitterのタイムラインを見ていると「もう注文したった!」の文字が。これはビッグウェーブに乗らなければならないと思い、筆者もGoogle Play経由で購入した。幸いNexus 4とは違い、日本は最初の発売組に入っており、すでにNexus 5を注文できる状態に。特にどのSIMを挿入するかどうかを決めることもなく、いわゆる「ポチッた」のである。5日ほど経ってから国際宅配便で自宅にNexus 5が届いた。それから10日ほど使ってみたので、正直な感想でも書いてみようと思う。

カスタマイズしてこそ面白いスマートフォン「Nexus 5」
背面にはNexusのロゴが配しており、Nexus 7(2013)と共通のデザインとなる

 なお、Nexus 5は本誌でも触れられているとおり、イー・モバイル向けに展開する「Nexus 5(EM01L)」とGoogle Play経由で品物だけを購入する「Nexus 5」に分けられるが、どちらも同じモデルである。色は両方ともホワイトとブラックが存在し、容量は16GBモデルと32GBモデル(イー・モバイル向けは16GBモデルのみ)。16GBモデルは3万9800円(イー・モバイル向けモデルはキャンペーン適用で3万9800円)、32GBモデルは4万4800円となっている。Nexusシリーズは本機に限らず外部メモリに非対応であるため、今回は32GBモデルをチョイスした。

 このNexus 5の特徴として、一番大きいウェイトを占めているのが、この価格設定である。キャリア向けスマートフォンであれば、昨今は一括8万円~9万円が当たり前の時代である。機種変更であれば、月々の割引を踏まえた2年間利用での実質価格も4万円~5万円するモデルも少なくない。しかしながら、このNexus 5は本体の価格のみで3万9800円(16GBモデル)である。これがいかにお得な価格設定かは本誌を読んでいる読者であれば想像に難くないであろう。

OSは最新のAndroid 4.4(コードネーム:KitKat)だ。まるでチョコバーのキットカットのような画面も表示できる

 しかしながら、搭載していない機能も多い。基本的にはGoogle社のサービス(GmailやGoogleマップなど)を快適に利用することを第一の目的として作られているほか、Android 4.4(コードネーム:KitKat)用アプリを作成する機器としての意味合いもある。日本のキャリア向けスマートフォンにありがちな「おサイフケータイ」「ワンセグ」「赤外線機能」「防水・防塵」「外部メモリ対応」は非対応である。つまり、このような付加機能を求めるユーザーにはNexus 5はちょっとおススメできないかな、と思う。

 また、プリインストールされているアプリ群も、非常にシンプルでGoogle提供のアプリのみ。つまり、素のAndroidが入っている“だけ”だと思っても良い。しかしながら、この“素の”状態が実は非常に魅力的で、足りない部分があればアプリを入れて追加すればいいじゃない、カスタマイズの幅が広いよねと考えている(ハード面はどうしようもないが)。

執筆時点のホーム画面。すでに素のAndroid状態から変貌を遂げつつある

 Nexus 5は購入から10日目にして、ホーム画面は「WidgetHome」に変更した。ほかにも、通話アプリは使わず「050プラス」へ変更し、文字入力IMEも標準のiWnn IMEからATOKへ変更した。まだまだカスタマイズ途中であるが、今後もいろいろと手を加えていくだろう。

 さて、通話アプリは使わないという理由であるが、このNexus 5は幸いにもSIMフリーとなっている。対応周波数帯さえ合っていれば、SIMを入れてアクセスポイントの設定で利用可能となる。幸いにも昨今では月々の維持費が1000円を切るMVNO業者によるSIMが流通している。これは、月々500MB程度の利用であればLTEをフルスピードで利用できるというもので、通話には利用できない。

SIMのサイズはmicroSIMを利用する。筆者はイー・モバイル、NTTドコモのデータ契約、MVNOのIIJを適当に入れ替えて遊んでいる
ドコモ系のSIMを挿入すると、あらかじめいくつかMVNOのAPNが選べる状態になっていた

 つまり、電話はできないSIMを入れているため、差し替えとしてVoIPを利用したIP電話サービスを導入するというわけである。今回はIIJのBIC SIMというSIMカードを入れたのだが、あらかじめMVNOでのローコスト運用が想定されているのだろう、アクセスポイントも手動設定ではなく、表示されたものを選ぶだけとなっていた。また、SIMフリースマートフォンということもあり、NTTドコモ以外にも、イー・モバイルのSIMやソフトバンクのSIMを入れてみたが、どれもしっかりと認識してくれた。万が一、SIMを入れているキャリアスマホが故障してしまっても、一時的にSIMをNexus 5に入れることで代用がききそうである。

 このNexus 5は、最新のCPU(Snapdragon 800)を採用しつつ、ディスプレイは約5インチのフルHD(1920×1080)という非常に高性能なモデルであるが、そのスペックに反して軽量(約130g)となっている。大型モデルながら持ちやすさも両立しており、その辺も気に入って使っている。しかしながら、軽量化のためかバッテリー容量が2300mAhとやや少ないように感じる。WebやSNSに加え、ゲームなどを利用すれば、気が付くとバッテリー残量が30%を切っていることがあった。今後このモデルをメインで使うのであれば、モバイルバッテリーもバッグに入れておきたい。ハードに使うのではないのであれば、一日持つかもしれないが、カスタマイズが落ち着いてきてから再度バッテリー持ちを確認したいところだ。

 手頃な価格設定と基本スペックの高さから、ガジェット好きのみならず、安価なMVNOのSIMを入れて2台目としての利用におすすめしたいモデルだと思う。今後はさらにカスタマイズしていきたい。

Qiにも対応し、置くだけで充電する。ちなみに、現在のスマホケースはペットボトルのお茶についてきたペットボトルカバー
このようなゲーム機並みのグラフィックもらくらくこなすが、本体が熱を持ちやすいようだ
日本初のSIMフリーAndroidスマホのIDEOS(画像=左)と2ショット。3年でここまで進化しました
ホーム画面から音声認識のみで検索は現在日本語での音声は非対応。はやく対応しないかなあ(11月12日現在)
製品名購入場所購入価格
Nexus 5 32GB(ホワイト)Google Play4万4800円

布施繁樹