本日の一品
空気を圧縮して一気に吹き出す手動式エアブロワー
(2013/7/4 06:00)
ラグビーボール形のゴム球を手や指先で押し潰し、その勢いで空気を吹き出すエアブロワー。カメラのレンズなどについたホコリを払うために使われるクリーニング用品の一種だ。威力や手軽さではスプレー式エアダスターに及ばないが、なにしろランニングコストはゼロ。可燃性ガスなどの影響を気にする必要はないし、スプレー特有の連続使用による結露などの心配がないというメリットもある。筆者の家ではカメラに限らず、時計やアクセサリー類の手入れ、電子機器やキーボードの掃除、家具の隙間のホコリ取りなど、エアブロワーは普段の生活の中で幅広く活用しているアイテムのひとつである。
先日、ちょっとユニークなエアブロワーを見つけ、さっそく購入してみた。ホーザンの「Z-263」という製品である。特徴は、なんといっても空気の圧縮機能を搭載しているという点だ。手でゴム球を押し潰すのは他製品と変わらないが、軽く本体をつまむくらいではノズルから空気は出てこない。力を加えていき、中の圧力を十分に高めると一気に吹き出す構造なのである。
メーカーによれば、Z-263は圧縮機能なしの同社製品と比べ、2倍から3倍の圧力を生み出せるそうだ。実際、圧縮された空気のパワーはなかなかのものである。キーボードの隙間に入り込んだホコリくらいなら数回吹きかけるだけできれいに消え去ってしまう。細長いエクステンションノズルが付属しているので、スリットの奥などにも対処できるだろう。連続噴射が可能なスプレー式エアダスターの代わりとするのは厳しいかもしれないが、日常的なクリーニング用品としては経済的で、効果も大きいのである。
圧縮機能があるとはいっても、ゴム球を押し潰すのに苦労するようなことはない。むしろ一般的なエアブロワーより手への負担が少ないと感じられるくらいである。力を込めて勢いをつける必要はなく、自然に手を握るだけで十分な威力の空気が送り出されるからだ。細かい作業に利用したい場合は、ノズルの先端を90度回転させて1cmほど引き出せばいい。圧縮機能が解除され、他のエアブロワーと同様、指先の感覚で風量を微調整することが可能になる。
Z-263は工業用品を扱うメーカーから発売されている。本来はドリルやノコギリの切り屑などを吹き飛ばすための工具なのだろう。筆者はエアブロワーといえばカメラ用品と思い込んでいたため、偶然目にするまで、この製品の存在を知らなかった。これまで見過ごしてきたのが悔やまれる一品である。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
---|---|---|
Z-263 | ホーザン | 1617円 |