本日の一品

iPadやiPad miniを単3電池で充電できるモバイル充電器

製品本体。単三電池×4本で駆動する。アルミ製でデザインはやや無骨だが、頑丈さは折り紙つきで、アウトドアでのタフな利用にも向く

 先日ある離島に行った際、うっかりUSB電源アダプターを持参し忘れてしまい、手持ちのスマホが充電できなくなる事態があった。モバイルバッテリーとUSBケーブルは持参していたにもかかわらず、モバイルバッテリーを使い果たした後に充電する手段を考慮していなかったのだ。離島ということもあり訪れた場所には店がなく、仕方なく隣町にある量販店までタクシーで往復数千円もかけてUSB電源アダプターを買いに行く羽目になった。

 上記のケースは筆者のポカということで片付けられるわけだが、例えば屋外キャンプや登山のように充電の方法が確保されていない場所で、モバイルバッテリーが切れた際の充電方法というのは、意外と選択肢が少ないものだ。同様に、災害などによる停電の際も、スマホやタブレットのバッテリー、モバイルバッテリーがともに残量がなくなってしまうと、情報を取り出すことができなくなってしまう。

 ひとつの解決策は、充電式のバッテリー内蔵型ではなく、乾電池のようにスペアの携行ができる電源を使う、モバイル充電器を利用することだ。これならACコンセントからの充電が不可能でも、電池を交換すれば充電を続行でき、充電回数に見合った数のスペアを持参すれば済む。しかしこの際にネックになるのが、iPadなどへの対応だ。こうした乾電池充電の機器のほとんどは、iPadのような大電流が必要な機器に対応していないからだ。

 今回紹介するバード電子の「DC-Pod(MHC-05B-1.2)」は、その数少ない例外にあたる存在だ。乾電池4本をセットすることで1.2Aの大きな電流を作り出せるので、1A以上が必要なiPhone 5はもちろん、1.2Aが必要なiPadへの充電も問題なく行える。試してみたところ、iPhone 4Sだと実測値で80%、iPad miniで30%ほどの充電が行えた。元が乾電池なのでさすがに機器を満充電できるほどのパワーはないが、バッテリーがなくなったスマホやタブレットから情報を取り出したいという用途には十分だろう。必要であれば電池を交換して充電を続行すればよい。

 電池そのものは使い捨てとなるが、モバイルバッテリーに内蔵のリチウム充電池のように約500回といわれる寿命がないので、本体部分を長期間使い続けられるのもメリットだ。電池にはエネループも利用できるので、総合的に考えると実はコストパフォーマンスは高い。モバイルバッテリー自体の充電方法を確保できないシチュエーションでの選択肢はもちろん、普段使いのモバイル充電器としても、おすすめしたいアイテムだ。

フロント面にあるUSBコネクタに充電ケーブルを差し込んで使用する。隣はON-OFFスイッチ
iPad miniを充電しているところ。充電中は内部のLEDが赤く点灯する
製品名製造元購入価格
DC-Pod(MHC-05B-1.2)バード電子8900円

山口 真弘