本日の一品
「ぬりかべ」のような腕時計「WALL SWITCH」
(2012/12/4 06:00)
腕時計のコレクションは、他の多くのアイテムに比べて場所をとらないのが大きなメリットだ。腕時計コレクションでは、集め始めてから気づくことがいくつかある。
ひとつは日付の入った手巻きの腕時計はけっこう面倒だ。しばらく使わないと止まって日付がずれてしまい、はじめは気にせずにいようと思うが、結局気になって面倒な操作をして修正せざるを得なくなる。機種によっておおよそ操作性は似ているが複雑なデジタル腕時計などでは紙のマニュアルやウェブ上のPDFマニュアルを参照しないと再設定できない。
バッテリーで動くクォーツ腕時計は一見して無敵のようにも思えるが、バッテリーがなくなればただのゴミになる。正確無比な電波腕時計は、ほんの少しでも時刻が狂ったら妙に気になって無理矢理にでも電波を捕まえて完璧に合わせたくなってしまう。
集め始めてから意外なところで手間がかかるのが腕時計コレクションのようだ。しかし、どんどん面白い商品が登場するので買わずにはいられない。
今回の「WALL SWICH」という腕時計も、発表時から注目していたが、外苑前で開催されていた「東京デザイナーズウィーク」会場内で偶然見つけて買ってしまった。“Click-Watch”という、香港に拠点を置く新進の腕時計ブランドが発売しているシンプルな腕時計だ。
WALL SWITCHの名前通り、壁面に設けられたシーソー型の電灯オン・オフスイッチをイメージしてデザインされている。カラーは筆者が購入したブラックの他に、ブルー、バーガンディー、シルバーの全部で4色が発売されている。45×47×12mm (横×縦×厚)と一般的な腕時計より大きめのスクエア型だが、プラスチック製の本体と軽量なラバーベルトで実測重量はたったの49g。装着性能も極めて快適だ。
LEDを採用した多くの腕時計と同じく、WALL SWITCHもふだんは時刻が何も表示されておらず、のっぺりした黒い“ぬりかべ”のようなイメージだ。現在時刻を知るには、腕時計本体の表面ほぼ全面を使ったシーソー型のターンスイッチを上下どちらかにカチッと押すと、スイッチ上に赤のLEDで3秒間ほどアニメーションが表示され、続いて現在時刻が表示される。
現在時刻の表示形式は、24時間表示か12時間表示を選択可能。時刻を表示した後何も操作しないでいると、アニメーション」表示の後、黒いぬりかべ状態に戻る。現在時刻が表示されている間に再度、ターンスイッチを上下どちらかに押すと、アニメーションの後、月日の表示に変化する。
時刻や日時、24時間表示と12時間表示の設定は、LEDが点滅中に背面の“S”と刻印されたすぐ横の小さな金属製のボタンを何か先の尖ったもので長押しすることで設定モードに入り、各種設定を行うことができるようになる。日付や時刻合わせでは数字を進めるのに状況によってはカチ・カチ・カチ・カチと何度もターンスイッチを押すハメになる。
ケータイ電話で現在時刻を知ることが普通の時代になり、腕時計がビジネスピープルの必需品ではなくなった。昨今の腕時計は、若い新進デザイナーによるラバーやプラスチック等のマテリアルを上手く活用した廉価版の楽しさと個性が溢れるデザイナーズウォッチが中心だ。
ほとんどのものは1万円以下で提供されているため、複数の腕時計をコレクションしてTPOやその日の気分によって気に入った腕時計を着用して出かけることができる。今回ご紹介したWALL WATCHは“オン”の時に使うことは難しいかもしれないが、オフのアフターファイブや休日にはぜひ使いたい、楽しさ溢れる腕時計だ。
製品名 | 購入場所 | 購入価格 |
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WALL SWITC | TIC TAC | 7875円 |