iPhoneと連携して動くロボット犬「スマートペット」


スマートペット本体。見ればわかるとおり、顏の部分にiPhoneを取り付けて使用する。イヤホンジャックを利用して本体とアプリとの連携を行うようになっている
iPhoneを取り外している間つけておくためのダミーフェイス。この状態でも、顏をたたいたりすればロボットは反応して後ずさったりする仕草をする

 デジタルなペットというものはいつの時代も一定の人気があるものだ。ソニーの「AIBO」もそうだったし、ファービーは当初品薄が続いた。「たまごっち」は、大ブームを巻き起こした後もリニューアルを繰り返し、いまだに人気商品であり続けるところを見ると、やはりそういったものの愛好者は多いのだろうと推測される。パソコンのソフトやスマートフォンのアプリケーションでも、育成ものは人気がある。人類には共通して、何かをかわいがったり世話をしたいといった欲求があるのだろう。

 今年の「おもちゃショー」では、今や爆発的に普及しているスマートフォンを利用したペット型ロボットが複数発表されていた。筆者がiPhoneデビューした時、アプリを無料配布していたことから、バンダイの「スマートペット」もダウンロードして少しずつ育成していた。当初は、選べる顏にあまりかわいいものがないという理由で愛着がわかなかったのだが、先日「本体」を手に入れた途端に、なんだかかわいく思えてきた。抱っこしたときの重量感などで愛着の度合が変わるのだから不思議なものだ。

 そんな「スマートペット」であるが、アプリとしての完成度はちょっと……と思わざるを得ない。育成要素、ゲーム要素、ミュージックプレーヤー要素、アイテムを集める要素など、こういったおもちゃで楽しめそうな機能はおおよそほとんどついているのだが、どれもこれも妙に中途半端。iPhone部分が顏になり、それとコミュニケーションをすることで育成していくのだが、表情を分かりやすくするためだろうか、コミカライズされすぎていて、某国民的漫画の猫型ロボットに見えてしまい、今ひとつ犬モチーフのロボットとして可愛がれないのは筆者だけだろうか……。ゲームもミュージックプレーヤーも早々に飽きてしまい、アプリだけを先にダウンロードして育成開始してしまったことを悔やんだ。「たまごっち」のメーカーということで育成要素はそこそこ楽しめるものの、肝心の顏がかわいくないので本体は入手するか迷ったのだが、iPhoneをほぼ宅内のWi-Fi接続で使用している筆者は、枕元に置いて見栄えのよいスタンドになればいいか、くらいの気持ちで利用を開始してみた。

 結論から言おう。充電スタンドとしては、かなりかわいい。それが後押ししてくれたおかげで、アプリの起動回数が増え、育成途中で比較的可愛らしい顏のバリエーションも手に入れたので、苦手だった表情の部分も苦にならなくなった。一日中見張っていなくてはならないペットアプリよりも、この「スマートペット」くらい放置しても平気なもののほうがいいのかもしれない。

 持ち主の音声を認識したり、手の振り方を認識してさまざまな芸を披露する機能の部分は、わざわざそのコマンド入力のためのモードを選ばなくてはならなかったり、「画面が○○の状態になったらお話しください」といった厳格な指示が出たり、動きのバリエーションが単調だったりと、ペットロボットとして興ざめな部分も目立つが、今後もアプリのアップデートは続くらしいので、育成要素の充実に期待したいところだ。


iPhoneをとりつけて充電しているところ。このお座りポーズはかわいい。どう見てもくわえているようには見えない、ケーブル用の骨のアクセサリーはご愛嬌手の動きに応じて色々な仕草を見せてくれるトリックコマンドモード。画面上半分が指示が正しく認識されるための確認用になっている

 

製品名製造元購入価格
スマートペットバンダイ2250円

 




(珠里)

2012/9/28 06:00