210円ではじめるバルーンアートのススメ


「モデリングバルーン」。直線タイプ20本入り。モデリングマニュアルも同封されておりとても親切だ
「押しても引いても空気が入る! 空気ポンプ」は簡素ながら、しっかりした作り。先端部は大きめに成形されており使いやすい

 皆さんはバルーンアートをご存知だろうか? バルーンで作られた動物やデコレーション作品を街で見かけることもあるだろう。筆者は以前、作り方の簡単な手ほどきを受けたのだが、想像していたより手軽なものだった。それに、作ったバルーンを子供に渡すと本当に喜ばれるので、小さな子供が集まる場などでは、道具を持参して目の前で作ってプレゼントしている。今回はそんなバルーンアートを手軽に始めるための製品を紹介しよう。いずれも100円ショップ(ダイソー)で手に入れることができる。

 まず使用するバルーンは「モデリングバルーン」。バルーンの形状や用途により色々なパックが販売されているが、今回紹介するのは曲線の無いロングタイプだ。少し小さめのサイズが初めての人には扱いやすい。また、105円という低価格でありながらバルーンアートのモデリングマニュアルが付属しており、初心者の入門にはうってつけだ。

 次に空気を入れるポンプだ。バルーンを息で膨らませるのは大変苦労する。おとなしくポンプを使った方が無難だ。筆者のオススメは同じく「押しても引いても空気が入る! 空気ポンプ」(105円)だ。棒をシリンダーへ往復させるタイプのポンプで、商品名の通り取っ手を押しても引いても空気が送り込まれるので、簡単にバルーンを膨らませてくれる。浮き輪やビーチボールなどにも対応しており、大型で頑丈なのもオススメのポイントだ。というのも、以前は小型のポンプを試してみたのだが、華奢ですぐに壊れてしまったからだ。先端はプラスチック一体成形でバルーンを差し込みやすく、大きめに作られているので膨らませる際に空気が漏れにくいのもグッド。バルーンアートを続ける道具として、しっかり働いてくれている。

 以上、これだけでバルーンアートを始めることができる。しめて210円。お手軽だ。折角なので今回は、基本中の基本である「どうぶつ」の作り方をご紹介しよう。難しくないので、一度挑戦してみて頂きたい。


基本の応用で作例は無限。ぜひ挑戦してみてほしい

 まずモデリング(変形・造形)途中での破裂を防ぐため、バルーンを縦に引き伸ばし柔らかくしておく。充分に馴染んだら、ポンプで空気を入れよう。バルーンの口を先端に深めに差し込んで、指で押さえながら一気に空気を入れていく。空気量はバルーンの先に「しっぽ」が少し残る程度にする。これも空気の逃げ場を作ることで作業中の破裂を防ぐためだ。空気を入れ終わったら、バルーンをポンプから外して口を結び、念のためもう一度全体を良く手で揉んで馴染ませておこう。

 いよいよモデリングだ。まずバルーンに「くびれ」と「玉」を作っていく。結んだ側から適当な長さを取り、一気に絞りひねる。つきたての餅をひねり出す要領だ。簡単には破裂しないので安心しよう。絞りひねるとバルーンに細い「くびれ」と、「くびれ」で空気が分割された「玉」ができるので、「玉」は3回転ほどひねっておこう。この「玉」と「くびれ」を、同じ要領で3つ作る。油断すると作った「くびれ」が元に戻ってしまうので、“作った「玉」は薬指と小指で押さえておく”、“すべて同じ方向へ回転させる”、の二点に注意して作業しよう。3つの「くびれ」によって「つながったウィンナーソーセージ」のように4分割されたバルーンができあがるはずだ。

 そして4分割されたバルーンを元に戻らないよう注意しながら、中央でU字に折りまげ2本の束にし、束ごとまとめて一気にひねる。ふたつの「くびれ」を合わせてひねり、まとめてひとつの「くびれ」にする訳だ。すると手を離しても元に戻らない。まとめてひねることで、引っ張りあう「玉」の摩擦力が、すべての「くびれ」を固定させるためだ。はずみでほどけてしまわないように、これも3回転程ひねっておこう。これで「どうぶつ」の頭が完成だ。

 次に前足だが、作り方は頭と同様だ。頭を作ったバルーンの残りから「玉」をひねって行こう。頭がひとつめの「玉」になるので、続いて2つの「玉」と3つの「くびれ」を作ればOK。先ほどと同じように2本を束にして、まとめてひねり、頭との角度を調整すれば前足になる。後ろ足も同じく「残りのバルーンを3つのくびれで4分割し、まとめてひねる」を繰り返せば良い。これで「どうぶつ」の完成だ。

 この「どうぶつ」をマスターすれば、「玉」の長さ調節でいろいろな動物を作ることができる。耳を長くすれば「うさぎ」、首と足を長くすれば「キリン」。バルーンの色を工夫すれば、もっとそれらしく見えてくるだろう。また、この基本テクニックの応用で動物以外も作成できる。興味のある方は専門書籍や有志の方々が公開されているサイトなどで各自で調べると良いだろう。

 こんな手軽なバルーンアートだが、作品を渡したときの子供達の笑顔は弾けるよう。皆さんも休日には、お子さんのために是非作ってあげていただきたい。


早速作成。バルーンを「餅をひねり出す」ようにねじって「玉」をつくる「玉」を三つ作ってウィンナーソーセージのように
これを束にして……まとめてひねる!
これで「どうぶつ」の頭ができあがり完成品。「玉」を同じ長さで作ると「頭」「前足」「後ろ足」が同じ構造で出来ているのがよくわかる。右は「玉」の長さ調整をしたもの。ちょっとうさぎにみえるかな?

 

製品名販売元購入価格
モデリングバルーン大創産業105円
押しても引いても空気が入る! 空気ポンプ大創産業105円

 

(はやしだ)

2012/7/20 06:00