つなぎ目が見えないほどの精巧さ
~ステンレス製円柱型USBメモリー


USBメモリーは機能一辺倒の時代から、ジョーク性、他人への自慢商品、デザインアイテム等にどんどん変化してきている

 そもそもUSBメモリーとは、何の目的で市場に登場してきたのか最近はあまり思い出せないし、思い出す意味もなさそうだ。秋葉原をほんの5分ほど散策してみたら、ちょっと洒落たデザインのUSBメモリーでも4GBくらいなら500円くらい、ちょっと残念なデザインなら同じ容量でも300円台から見つけることができる時代になってしまった。

 PCのデータファイルやデジカメ画像など、デジタル記録ファイルの手渡しメディアとしてスタートしたUSBメモリーは、いつの頃か、走り書きをするブロックメモ等と同じ範疇の商品になってしまったようだ。メモ用紙と同じく、USBメモリーもパッと見のデザイン性や、予想もしなかった隠し機能や、思いもよらない人の注目を浴びるアイデアの搭載が商品価値になってきている。

 筆者も大昔のフロッピーディスク代わりに、安価な4GBクラスのUSBメモリーを秋葉原などでバルク買いをすることがある。関係者間での大きなファイルの受け渡しには過去のフロッピーディスクに代わる便利な媒体だ。企業系ではUSBメモリーを使用禁止にしているところも多いので、ネットで圧縮ファイルを送る方法と併用して、使い分けて活用している。

 そういうご時世なので、昨今のUSBメモリーはデータ受け渡しに徹した何のこだわりもない“残念デザインのUSBメモリー”と、うんちくやこだわり、ジョーク性、デザイン性満載の、“新しい付加価値型のUSBメモリー”に二分されるようだ。

 筆者が今回購入したUSBメモリーは後者の、それも“こだわり”型のUSBメモリーだ。 「つなぎ目が見えないほどの精巧さ ステンレス製 円柱形USBメモリー」なんていう、とてつもなく長い名前を冠したクラフトマンの技量と工業技術をうんちくにしたUSBメモリーなのだ。

どんなに目を凝らしてみてもただの金属棒にしか見えない。もちろん指先で触れても同じだったちょっとねじってみると……ある部分から金属棒が分離しだす続けて回転し続けてキャップを外すと、ごく普通のUSBメモリーだ

 普段、持ち運んでいる時のイメージは、単なる「ステンレスの円柱形の棒」にしか見えない。しかし、実は、金属製のストラップを通した側の上部3分の1程は、ねじ込み式の蓋になっていて、回転させて、蓋を全部取り去れば、USBメモリーのプラグ部分が露出する。

 USBメモリーの本来の機能からすれば特に必要な機能でも何でもないが、どう見ても、誰が見ても、どんなに触っても、絶対に蓋部分と本体USBメモリー部分の「継ぎ目」が見えないのが“売り”なのだ。

 USBメモリー、されどUSBメモリー……過去、読み書きするメカのドライブコストやサイズ、容量の拡大に手間取ったフロッピーディスクはIT業界では、即効で行き場を失ってしまった。しかし、USBメモリーはこれからも身の回りを彩るアクセサリーや“会話のアイスブレーク”を支援するグッズとして君臨してゆくかもしれない。そういえば、メモリーとして使ったことがないので何GBだったか覚えていない。


商品名実売価格購入場所
つなぎ目が見えないほどの精巧さ
ステンレス製 円柱形USBメモリー 8GB
Donyaダイレクト DN-LFD150
3249円amazon



(ゼロ・ハリ)

2012/6/19 06:00