スマホ対応やクレードルなど機能充実のWiMAXルーター「WM3600R」


Aterm WM3600R。本体カラーはブラック、シルバー、ピンクの3種類
背面に記載されたSSIDと暗号化キーによる手動設定も可能

 NECアクセステクニカのWiMAXモバイルルーター「Aterm WM3600R」は、高速なWiMAX通信を外出時に使えるというメリットはもちろん、その他の機能も非常に充実した1台だ。

 モバイルルーター利用の最初の壁とも言える無線LAN設定については、ボタン操作で設定が完了する「らくらく無線スタートEX」がWindowsとMacに対応済みで、スマートフォンはQRコードから設定できる「らくらくQRスタート」アプリが無料で提供されている。現時点ではAndroidのみの対応だが、2012年3月にはiOS版も対応予定とのことで、パソコンとスマートフォンの対応はほぼ網羅。WPSにも対応しているし、背面に記載されたSSIDと暗号化キーを直接入力することも可能だ。

 外出時もWiMAXルーターとしての機能は必要十分。公称する連続通信10時間は、スマートフォンでAterm WM3600Rに接続し、常時通信する環境で外出してみたところ、12時半くらいの外出から23時頃に帰宅した際もバッテリーは20%以下を示す最後のランプでふんばっていた。このバッテリーの安心感はさすがルーター専用機で、スマートフォンのテザリングとは段違いの性能だ。

 特筆すべきはWiMAXルーター以外の便利機能。WM3600Rを鞄に入れっぱなしにした状態で電波状況や電池の残量が確認できるAndroidアプリ「Aterm WiMAX Tool」は、モバイルルーターでスマートフォンを運用した経験があれば誰でも魅力に感じる機能だろう。こちらもiOS版が2012年3月に公開される予定になっている。

スマートフォンからQRコードを読み取って設定できるスマートフォンからWM3600Rの電波や電池残量をチェックできる「Aterm WiMAX Tool」

 公衆無線LAN設定も嬉しい機能。管理画面からの設定は必要になるが、普段利用する公衆無線LANのSSIDや暗号化キーに加えて、ログインIDやパスワードを事前に設定しておくことで、公衆無線LANサービスを複数の端末で利用できる。通常、公衆無線LANサービスは1回線1接続のため、パソコンでつないでしまうとスマートフォンで接続できないという不便さがあったが、WM3600Rを利用すればパソコンとスマートフォンなど複数の端末での利用も可能だ。

公衆無線LAN設定はログインに必要なユーザーIDとパスワードもあらかじめ設定できる

 外出時も便利だが、別売のクレードルを利用すると自宅での利用もさらに便利になる。クレードルは有線LANポートを搭載しているため、有線LANのみ対応なことが多いテレビやレコーダーといった家電とも接続が可能。家に帰ったらクレードルにWM3600Rを設置するだけで、自宅と外出時のインターネット回線を1本化できる。

 すでにインターネット環境が自宅にある場合、設定を変更することでWM3600Rをアクセスポイントとして利用することもできる。この場合はWM3600Rにつながっているスマートフォンやパソコンが、WM3600Rをクレードルに置くだけで設定を切り替えることなく自宅のネットワークを利用できるようになる。クレードルを使うことで宅内と宅外を意識せずシームレスに切り替わるというのは非常に便利だ。

別売のクレードル背面に有線LANポートとアクセスポイント切替えスイッチを搭載

 WiMAXルーターとしての性能も高く、スマートフォンアプリでの電波確認や公衆無線LANサービスの利用、クレードルによる宅内ネットワークとの連動など、非常に充実した機能を持つWM3600R。WiMAXルーターとしてだけでなく、自宅と外出先の回線を1本化したい、というユーザーにもお勧めの1台だと感じた。もちろんその際は別売ながらもクレードルの併用をお勧めしたい。

製品名製造元販売価格
AtermWM3600RNECアクセステクニカ4800円
※UQ通販サイトでの新規契約、年間プラン契約時




(甲斐祐樹)

2012/2/24 06:00